反り立つ壁に撃沈。


by nugueira
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名勝負連発!UFC奇跡の2大タイトルマッチ。

 UFC189、大会全体の感想を先に言うと、「控えめに見て5年に1度の神興業」。いや、こんな日もあるものなのか。何といっても、セミとメインのダブルタイトルマッチの感想を。

ロビー・ローラー○-×ローリー・マクドナルド(5R TKO)
 マクドナルドは距離をキープしつつジャブ、前蹴り、時おり右ハイを混ぜ、細かく手数を出していく。ローラーはなかなか間合いを詰められないものの、ジリジリと前に出ながらパンチで攻める。両者有効打はなく、個人的にはローラーのラウンドにしたが試合を作っているのはマクドナルドか。
 マクドナルドとしては距離をコントロールし続けたいところだが、2R後半に入るとローラーのワンツーがマクドナルドの顔面を捉える場面が増え、マクドナルドの顔面が流血で真っ赤に染まっていく。
 3Rに入っても打撃でローラー優勢の流れは変わらず、マクドナルドはタックルも切られてしまう。このままローラーの試合になっていくか・・・と思えたラウンド後半、マクドナルドの右ハイがローラーのガードを巻きつくように後頭部にヒット。一瞬遅れて腰を落としたローラーに、マクドナルドは猛然とラッシュ!起死回生の一撃で、試合の流れがまた分からなくなってくる。
 4R序盤もダメージの残るローラーにマクドナルドがラッシュを仕掛けるが、ローラーは次第に体勢を立て直すと自ら圧力をかけ、タックルを切りながら左右のパンチをヒット。手数・ダメージともに五分の印象だが、ローラーが流れをまた引き戻してきたか。
 ポイントはどうなっているのか予測もつかない最終ラウンド、マクドナルドは力を振り絞るようにパンチを出していくが、ローラーは愚直なまでに圧力をかけ、ワンツーをヒット。ローラーの左がマクドナルドの顔面を捉えたところで、マクドナルドは顔を押さえながらスローモーション映像のようにダウン。鉄人ローラーが消耗戦の末にマクドナルドの心をへし折り、防衛に成功。
 いやー、やっぱりあれだな。ゆとり世代は最後のもうひと粘りができないんだな(←コラコラ)。個人的には「マクドナルドが勝ったらUFC史上最も退屈なチャンピオンが誕生してしまうのでそれだけは勘弁」と思っていたのだが、それでもオッズはマクドナルド優勢。前回の対戦もそうだったが、「スマートな若手vs泥臭い中年」という分かりやすすぎる構図で、見ている方は「なんだかんだ言っても若い方が勝っちゃうよねえ」という見方をしてしまう中、これまた前回同様ローラーが泥臭い展開にマクドナルドを引きずり込み力ずくでねじ伏せてしまった。この試合に勇気づけられた30代男性は多いのではないだろうか。

チャド・メンデス×-○コナー・マグレガー(2R TKO)
 並んでみるとかなり身長・リーチ差のある両者。ノーガードから回転系の打撃を繰り出すマグレガーに対し、メンデスは懐に飛び込みづらい様子。それでも鋭い踏み込みからパンチを打ちこむと、マグレガーのパンチにグラつきながらもテイクダウンを奪い、エルボーを入れていく。1Rはポイント的にはメンデスか。ただスクランブル出場なので長丁場になると厳しそう。
 続く2Rもマグレガーのパンチをかいくぐりメンデスがテイクダウン。左右の肘を落としていくもののマグレガーも打たれ強く、なかなかフィニッシュにつながらない。そうこうしている内にメンデスのギロチンを凌いだマグレガーがスタンドに戻すと、スタミナをロスしたメンデスに一気に攻勢!メンデスのタックルを切り左右のパンチを入れると、最後はケージ際で打ちおろしの左!前のめりに崩れ落ちたメンデスに追撃のパウンドを入れたところでレフェリーがストップ。マグレガーがフェザー級暫定王者へと登り詰めた。
 セミが終わった段階で「こりゃメインを食ったな・・・という時ほどメインが凄くなることが往々にしてあるので油断できない」とツイートしたのだが、まさかこんな形で的中するとは・・・。冷静に分析すると「コンディションが十分でなかったメンデスが攻め疲れたところで上手く攻め込んだ」ということなのだろうけど、フェザー級最強のナンバー2であるメンデス相手に、暫定王者決定戦という場でそれをやってしまうとは。もうただただ、マグレガーに全面謝罪。正真正銘、とてつもないレベルで「もってる」選手であることを証明してみせた。
 技術的にはタックル耐性のなさを予想通り露呈してはいたが、それを補って余りあるタフネスと打撃力。相性的に厳しいと見られていたメンデス相手にこの勝ち方をしたとなると、アルドとの統一戦はにわかにマグレガーに追い風が吹いてきている。今回の「大ばくち」にマグレガーが勝利したことで、10月以降に行われるアルド戦は偽りなしのメガマッチと化した。

 残りの感想は後日。人気ブログランキングへ
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Commented by スラッカー at 2015-07-12 22:53 x
確かに神興業でしたが全試合メインディッシュという感じで
最後の試合は自分もメンデス相手ではマクレガー不利と見ていたのもあり
もう次の興業でいいじゃんと思ってしまいました

ロリマクは最後は心が(鼻も?)折れてしまいましたが
あれだけ血みどろになりながらも最後までプレッシャーをかけ続けたのでゆとりと言ってしまうのは可哀想です
逆にローラーの右ジャブというかストレートとタックルディフェンス
何よりプレッシャーを受け続けても下がらずかといって無駄にラッシュをかけてスタミナをロスする事もせず丁寧に応戦し続けた精神的タフネスを褒めるべきかと
ロリマク側としてはそれが狙いだったのでしょうが当てが外れた上、右で顔面を破壊されてしまい裏目になってしまいましたね
こんな事ならいつも通り距離を取って戦えば・・・

マクレガーは振り抜く打撃を打つためか確かにタックルの防御に難はありますが、最後のチョークを外した動きは凄かったです
何か大蛇の様に見えました
Commented by おっさん at 2015-07-13 01:57 x
本当に素晴らしい大会でしたね。

ローラーはますます強くなってるように思います。
ハイキックを効かされてからの展開で1度失速しましたが、その前に既にマクドナルドの戦い方を攻略しつつありましたし、最終的には根性で戦ってるように見えますがいろいろと考えて工夫してるように思います。
恐るべしおっさんです。
完全に唇が裂けているのに試合後叫びまくってましたし。

マクドナルドは今回も綺麗に相手を制圧して勝とうと思って試合に臨んだのではないでしょうか。
そういう自分の展開に持ち込んだ時は底なしの強さを発揮しますが、持ち込めない時の強さというは、まだまだのように思います。
こういう試合を経験にして、死闘でも勝ち切る逞しさを磨いてもらいたいです。

メンデスは試合開始直後から動きにキレがなく前に出る様子もあまりありませんでしたので、ここ数年ではもっとも出来が悪かったのではないでしょうか。
時折スピーディな動きも出てはいましたが、単発で終わっていましたし。
まあ遅すぎたオファーで減量やプロモーションや移動もある訳で、ほぼ調整無しで出てきたようなものではないでしょうか。
試合を引き受けた以上、言い訳にはならないと本人も言っていましたけども。

それにしてもあれだけのプレッシャーを背負いつつ、劣勢も跳ね除けて勝ち切ったマクレガーは賞賛に値すると思います。
あの体格であのプレッシャーの掛け方で、強いストレートを綺麗に打ち抜けるというのは中々驚異的だと思います。

私は正直な所、マクレガーの実力がメンデスを上回っているとは今でも思っていませんが、これから否応なしにアルドやエドガーとの戦いが義務付けられていく訳ですし、ビッグマウスを実現していけるかどうかはこれからの方が過酷だと思います。

とにかくマクレガーの試合はたくさん見たいですね。
やっぱり多くの人々が惹かれるだけのものを感じます。
Commented by みゆパパ at 2015-07-13 08:42 x
本当に「凄い」大会でした。
プレリミ5試合連続判定決着で、いやーな空気だったのが後半怒濤の完全決着ですもんね。
何回も声出ちゃいましたよ。

解説でも言っていましたが、途中からマクドナルドは前蹴りが出せなくなっており、距離を保つことができなくなってましたよね。
もちろんローラーには折れない心という最大の武器がありますが、技術的にもマクドナルドのやりたいことをさせなかった巧さがあったのでしょうね。脱帽です。

マクレガーは今回の試合でアンチを黙らせたどころか、一気にファンを増やしたのではないでしょうか。
某有名格闘技ブログのコメント欄でも、以前は「フェイク野郎を潰してくれ」といった論調が大きかったですが、
試合後のエントリーではそんな声は全くなくなってましたね。
私も、試合後の涙や、メンデスと健闘をたたえ合う場面を見て「あぁ、こいつはビスピンとは違うわ」と思いました。

メンデスといえども万全の体勢で臨まなければあっさりやられてしまう、という意味で実力をしっかりと証明しましたよね。これまた脱帽です。
Commented by nugueira at 2015-07-13 22:45
>スラッカー様、おっさん様、みゆパパ様
 コメントありがとうございます。お三方とも長文のコメントで、今回の大会が語りどころの多いものであったことがよく表れていると思います。
 ローラーはご指摘のとおり、毎回泥臭い試合で勝っていますが、相手を泥臭い展開に持ち込む技術をものにしているということなんでしょうね。4R終了時に口から血しぶきを噴いた場面には戦慄しました。
 マグレガーについてはもう「参りました」の一言です。アルド戦では客の大半がマグレガー支持に回るはずで、アルドにとっては過去最大のアウェーでの試合になるでしょうね。
by nugueira | 2015-07-12 22:01 | UFC | Comments(4)