BEST OF THE SUPER Jr.XXII②
2015年 06月 11日
KUSHIDA○-×カイル・オライリー
予想通り序盤から徹底したグラウンド勝負。両者軽快な動きから技を出しあい、ブレイクの瞬間に場内拍手、というクラシカルな展開が続いていく。
ここからヒジの極め合いとなり、お互いに左肘を削り続けた10分過ぎ、オライリーがリーグ戦最終戦でも見せていたコーナー最上段からの雪崩式アームブリーカー!実際に会場で見てみると説得力十分で、プロレスの関節技を見ながら叫び声を上げたのはこれが初めてかも。ジュニアならではの空中技は全く見せずに、場内のテンションをどんどん上げてみせる。
15分過ぎにオライリーが場外へ落ちたところで、KUSHIDAがコーナーからのトペコンヒーロ。さらにリングに戻ってからムーンサルトプレスを繰り出すが、オライリーがこれを三角絞めでキャッチ!こんな切り返し技、初めて見た。一緒に見に行った知人(格闘技経験あり)がしきりに「オライリーの動きが柔術っぽい」と言っていたのだが、とにかく技のレパートリーが豊富で、しかも一つ一つが正確。
ここから大技が増え始め、オライリーの雪崩式バックドロップ、垂直落下式ブレーンバスターの後、エプロンでの攻防からKUSHIDAがブレーンバスター!両者カウントぎりぎりでリングに戻るも、再びダブルノックダウン。何とか立ち上がった後は両者ヒザ立ちの体勢でエルボー合戦、とまさに死力を振り絞った戦いに。
KUSHIDAはヒジの痛みをこらえるようにしながらシェルショック、スライスブレッドとシェリーの技を繰り出し、さらにミッドナイトエクスプレス。距離が合っておらずカウント2となるが、30分が経過したところで遂にホバーボードロック!粘るオライリーをリング中央に引き戻し、遂にオライリーがタップ。熱戦に終止符を打ち、KUSHIDAがスーパージュニア初優勝を達成。
決勝のカードが決まった時点で「スタイル的に噛み合うだろうけど盛り上がるかなあ」と心配していたのだが、もう全面謝罪するしかない試合内容。空中技に頼らず場内を盛り上げてみせたのは実にお見事。オライリーはタッグプレイヤーとしての印象しかなかったのだが、いいレスラーだなあ。
エプロンでのブレーンバスター以降は完全に四天王プロレスの世界で、今の新日でこういう試合が見れたのは意外。個人的にこういう「体を削り過ぎるプロレス」はあまり好きになれないのだが、ヘビーに試合内容で勝ってみせるというKUSHIDAの覚悟はよく伝わってきた。
1・4ドームに続いてハズレなしの興業。次は夏のG1決勝を見に行くか。