反り立つ壁に撃沈。


by nugueira

UFC187の感想

 WOWOWで観戦しての感想を。

ジョセフ・ベナビデス○-×ジョン・モラガ(判定)
 1R、モラガのハイキックをつかんだベナビデスがそのまま右フックを入れモラガがダウン。パウンドからサイドを奪うベナビデスに対し、モラガは立ち上がると反り投げでベナビデスを投げ飛ばす…とめまぐるしく攻防が入れ替わるフライ級らしい展開。ベナビデスが際の攻防をきっちり制しているか。
 2Rも近距離でのパンチが交錯するヒリヒリした展開になるが、主導権はベナビデス。ラウンド後半にはテイクダウンからサイドポジションを奪いモラガを削っていく。モラガはスタンドの打撃戦では互角に渡り合うのだが寝かされると苦しい場面が続き、結局判定でベナビデスが完勝。
 挑戦者選びが2巡目に入ることがほぼ確定しているフライ級戦線。戦績的にベナビデスが有力候補ではあるのだが、正直アピールとしては物足りない内容。前回1ラウンドKOで負けているわけで、最近の両者の試合を見比べる限りそこから差が開きこそすれ縮まっている感じがしないからなあ。

トラヴィス・ブラウン×-○アンドレイ・アルロフスキー(1R TKO)
 スタンドの打撃戦からアルロフスキーの右フックが入りブラウンがグラつく!アルロフスキーはケージに詰めラッシュを仕掛けるが、ここはブラウンが凌ぐ。この後もアルロフスキーは繰り返し右フックを入れブラウンを追い込むが、無理な攻めにはいかない。この辺はかつてのヒョードル戦の反省か。そうこうしている内に今度はブラウンの右フックが当たりアルロフスキーがダウン!これはアッと驚く逆転劇か、とも思ったがブラウンはもはや足の踏ん張りが効かない状態で、最後はアルロフスキーが連打を入れ続けレフェリーがストップ。
 いやもう、凄い試合を見ちゃったの一言。よくも悪くもヘビー級の醍醐味が詰まった一戦だった。UFC復帰当初は全く期待されていなかったアルロフスキーもこれで3連勝。もう次期挑戦権を確定させてしまっていいのでは。ストーリー的にも面白いし、正直誰とやってもKO負けのリスクがあるので早いところ王者に当ててしまった方が面白い気がするし。

ドナルド・セラーニ○-×ジョン・マクデッシ(2R TKO)
 セラーニがアップライトの構えということもあり、かなりリーチ差を感じさせる組み合わせ。セラーニが鋭いローからハイキックを繰り出しマクデッシをグラつかせる。マクデッシはボディを起点に反撃。思ったより静かな立ち上がりだが、セラーニが着実にダメージを与えたか。
 2Rもセラーニがヒザからパンチ、ハイキックからパンチのコンビネーションで攻勢。とにかく蹴りからパンチへのつなぎが上手く、切れ目なく打撃が飛んでくるという感じ。マクデッシのパンチもそれなりに当たっていたのだが、セラーニの何発目かのハイが当たったところでマクデッシがアゴが折れたとアピールし試合終了。
 やや唐突な終わり方だったが、これでセラーニは8連勝。さすがに挑戦権を与えなかったら嘘だろう。ドス・アンジョスにリベンジできるかというと、正直厳しい気はしているが。

クリス・ワイドマン○-×ビクトー・ベウフォート(1R TKO)
 ワイドマンのタックルを切ったベウフォートがバランスを崩し、そこにワイドマンが突進というドタバタした攻防の後、ベウフォートがパンチラッシュ!ケージ際でガードを固めたワイドマンは額から流血しつつもこれを凌ぐ。ベウフォートが短期決着か!?と思ったところで、今度はワイドマンがどんぴしゃのタックルを入れテイクダウン。そこからあっさりマウントに移行すると、パウンドと鉄槌の連打。ベウフォートはいいように殴られ続け、レフェリーストップでワイドマンが圧勝。
 何か一時期のPRIDEの前半戦にあったようなやたら大味な展開で、UFCタイトルマッチでこういう試合を見ることになるとは思わなかった。ベウフォートはテイクダウンを取られた後何もできなかったのが情けないというか切なかった。結果として最初のラッシュで仕留められなかったのが全てだったわけだが、やはりパンチが軽くなっていたのだろうか。

アンソニー・ジョンソン×-○ダニエル・コーミエ(3R 裸絞め)
 1R序盤、ジョンソンの右のオーバーハンドがヒットしコーミエ吹き飛ばされるようにダウン!しかしジョンソンがラッシュに来たところで、コーミエは素早くバックに回り込み金網に押し込み続ける。一度距離が空いたところでジョンソンがハイキックやパンチを振るうが、コーミエは序盤のようなビッグヒットはもらわずまた組み付いていく。
 2Rはコーミエが豪快なスラムからテイクダウンを奪うと、上をキープし続けアームロック狙い。さらにはパウンド・肘でジョンソンを削り続ける。ラウンドの大半の時間を背中をマットに着けていたジョンソン、額からも流血し消耗が激しい。
 3R序盤はジョンソンが打撃で押し込みテイクダウンを奪いかけるものの、組み合いになるとやはりコーミエの方が一枚上手。バックを奪うとパウンドから最後はチョークを極め、ジョンソンがタップ。コーミエが新王者となった。
 スタンドの打撃ではジョンソンだがレスリングを含めた総合力ではコーミエが上、というあまりに予想通りの展開と結果に落ち着いてしまった。戦前の予想で「ジョンソンが勝った方が今後が面白くなるが予想はコーミエ」と書かせてもらったが、コーミエが勝った瞬間、落胆とも何ともつかないもやもやした気分になってしまった。グスタフソンが復帰すればvsコーミエは面白いカードになるが、他に有力な対抗馬は不在。一方で「コーミエがジョーンズに完敗した」という事実も残っているわけで、今後ライトヘビー級という階級自体が果たして盛り上がるのだろうか、と心配になってしまう。
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Commented by みゆパパ at 2015-05-29 23:08 x
ベウフォートのラッシュ時も、しっかりアゴ引いてましたし効いてるって感じではなかったですよね。
グラウンドでのしょうもなさには笑っちゃいましたね。
このまま一気にレジェンド枠行きになりそうですね。

パンチ軽いのか?と不思議だったのは、それこそAJ×DCですよ、結構綺麗にDJの顔面捉えてたのに。
自分のパンチが効いてない!って感じで心が折れてたように見えました。

ベナビデスもですが、ダドソンの試合を観ても、このさき10年は政権交代はないのではないかと思っちゃいました。
来日時のインタビューとか観てても、死角がないって感じですよね。

アルロフスキーは復帰後いいシェイプしてますし、ヴェラスケスはともかく、ランキング上位陣ともいい試合してくれそうですよね。
Commented by nugueira at 2015-06-11 23:34
>みゆパパ様
 ベウフォートのグラウンドのザル加減には失望でしたねえ。前にも言いましたが、「同階級の選手との相対的実力差」を考慮するとP4PはロンダとDJでしょうね。
by nugueira | 2015-05-24 23:30 | UFC | Comments(2)