ロマチェンコ&サンタクルス
2015年 05月 04日
まずWBO世界フェザー級タイトルマッチ、ワシル・ロマチェンコvsガマリエル・ロドリゲス。1Rは足を使わず前傾気味の姿勢で攻めていく姿勢を見せたロマチェンコだが、2Rに入ると得意のシフトチェンジでスピードのギアを上げてくる。いつもながらのほれぼれするフットワークで、位置を変えてパンチを打つというよりもポジションチェンジとパンチが一体となった攻撃。距離設定も的確で、これだけ手数を出しながら無駄打ちが一発もないというのがまた凄い。
5R辺りにはロドリゲスは完全にサンドバッグ状態となっており、焦点はロマチェンコがいつ仕留めるかの一点になってくる。アマエリート特有の一発の軽さのせいもあり結構粘られてしまうか、とも思えたが7Rにボディを食らったロドリゲスが遂にダウン。ダメージ以上に心が折れたか、ロドリゲスにもはや余力は残っておらず、9Rにボディから右フックを食らいヒザを着くと、そのまま立ち上がれず10カウント。
いやもう、ロマチェンコ素晴らしいの一言。相手のパンチはまったくもらわず、自分のパンチだけ当て続けるんだもん。もはやフィクションの世界ですよ。ただリゴンドーと同様、強すぎてビジネスとして成立しづらい王者になってしまわないかが心配。
続いてフェザー級10回戦、ホセ・サンタクルスvsホセ・カエタノ。下の階級から上げてきたとは思えないデカさのサンタクルスが序盤から圧力をかけ猛攻。カエタノもしっかり打ち返していき、二人とも自分の役割をよく理解しているな、という展開に。
サンタクルスはカエタノをコーナーに詰めるとボディから打ち下ろしの右、というコンビネーションで攻め込んでいく。KOは時間の問題か、とも思えたがカエタノはここから意外な粘りを発揮。サンタクルスの右を自ら首を振って威力を殺すと、打ち終わりを狙って右を返していく。サンタクルスは徹底して圧力はかけていくものの最後の一押しが攻めきれず、後半戦はメリハリに欠けるままラウンドが経過。終盤はおそらく会場内に「いいから早く終われ」という空気が広がっていたであろう中、サンタクルスはダウンすら奪えず試合終了。
判定は三者フルマークでサンタクルスが完勝したものの、KOでの露払いが期待されていただけに消化不良な印象。サンタクルスはフェザー級転向を視野に入れているらしいが、今回の内容からするともう少し慎重に検討した方がいいか。
確かに自分も、KOで締めたにも関わらず、いまいち面白い試合には見えませんでした。
まあ、心がメインに向いていたからかもしれませんがw
今回の相手には怖さがなかたっため、安心して攻撃に比重を置くことができたのではないかと。
そうでない場合、やはりリゴンドー同様の試合運びしてきそうな選手ではあります。
サンタクルスは、同じ下から上げてきたマレスあたりと対戦して、という感じですかね。
ビジネス的に今後もフェザーで行くことになるのではないでしょうか。
メイウェザーが評価されるならロマチェンコも評価されていい気がするんですが、強豪相手のドキドキするマッチメイクがないのが大きな違いなんですかね。この辺が軽量級の辛いところでしょうか。