メイウェザーvsパッキャオ。「ボクシング界の一番長い日」を終えて。
2015年 05月 03日
笑顔で入場しローチと写メまで撮るリラックスした様子を見せるパッキャオに対し、メイウェザーは笑顔はないが気負いも感じられない、いつもと同じテンションで入場。
1R、メイウェザーはフットワークで動き回るかと思いきや、足を止めてパッキャオの機先を制し打ちおろしの右ストレート。パッキャオはなかなか踏み込むチャンスをつかめず、1Rはメイウェザーが取ったか。
2R、パッキャオは圧力を強めメイウェザーをコーナーへ追い込んでいく。メイウェザーはパッキャオの踏み込むタイミングに合わせてカウンターの右を狙うが、クリーンヒットはなし。微妙だがプレッシャーをかけた分パッキャオのラウンドか。
パッキャオの攻勢は止まらず、3Rもメイウェザーをコーナーに詰めて手数をまとめていく。さらに4Rにパッキャオの左ストレートが入り、メイウェザーがグラつくように後退!パッキャオはロープを背負ったメイウェザーに左右の連打を叩き込むが、ここはメイウェザーががっちりガード。
5Rはメイウェザーが積極的に攻めていき、自分から先手を取り続けるとラウンド中盤には右ストレートがヒット。メイウェザーは受けに回らない方がいいか。
しかし6Rはパッキャオが再度圧力を強め、メイウェザーにロープを背負わせるとアタックを繰り返し左右の連打。メイウェザーは首を振って効いていないことをアピールするが、ポイントはパッキャオか。前半戦はパッキャオが上手く圧力をかけている。
しかし7R、メイウェザーが5Rと同様自分から先手を取ると、パッキャオが踏み込んでくるタイミングに合わせてジャブや右ストレート。印象が悪くなった後のラウンドではきっちり立て直してくる。
戦前の予想では長丁場になればメイウェザー有利という見方が大半だったが、果たして、というべきか8Rに入るとメイウェザーの細かいジャブがパッキャオを捉え始める。パッキャオにダメージやスタミナ切れは感じられず、前半戦と同様圧力をかけ続けアタックを繰り返すのだが、メイウェザーのカウンターが待っているため簡単に飛び込めなくなってくる。10Rにはメイウェザーがカウンターのタイミングをつかんでいるのが見てとれるようになり、有効打の数でペースを握ってきたか。
11R、勝負どころと踏んだかメイウェザーはこれまでになく果敢な攻めを仕掛け、強めの右ストレートを繰り出し、さらにカウンター気味の右アッパーをヒットく。パッキャオはさすがに手数が落ちてきたか、前に出ていくもののメイウェザーを追いきれない。終盤に来ていつものメイウェザーのペース、という雰囲気の試合になってきた。
12Rも右ショートを的確に打っていったメイウェザーは、最後1分はフットワークでパッキャオの圧力をかわしながら流していき試合終了。12ラウンドが5分ぐらいにしか感じられない、濃密で息詰まる攻防は終了のゴングを迎えた。
個人的採点では2、3、4、6ラウンドがパッキャオで残りがメイウェザー。ただパッキャオの圧力とメイウェザーの細かい有効打のどちらを取るかで割れる要素もあるか?とも思えたが、ジャッジは116-112が2名、118-110が1名でメイウェザー。世紀の一戦を制し、無敗記録を48へ伸ばした。
予想記事では「世紀の凡戦になる可能性もゼロではない」などと書いたのだが、まずはこの点について全面謝罪。両者とも素晴らしいパフォーマンスを見せ、5年待たされた後でもなお、間違いなく「最強の矛vs最強の盾」の試合だった。
特にパッキャオはスタミナ・集中力とも終盤まで切らさず、ここ最近では一番の動きができていたのでは。それでも有効打を許さずゲームを支配したメイウェザーも憎らしいぐらいにお見事で、月並みだが「パッキャオが弱かったわけではない。メイウェザーがそれ以上に強かっただけだ」という他ない。
解説のジョー小泉は「パッキャオがあと一歩攻め切れなかったのはマルケス戦のトラウマ」とコメントしており試合内容に不満を漏らしていたが、こうして両雄の激突が実現し、試合を終えた後の今となっては、こういった感想は言うだけ野暮なのでは。現在進行形の神話を築いてきた二人が対戦し、これだけの試合を見せてくれたことを素直に受け止め、堪能するのが正解ではないかと思う。
メイウェザーは契約が満了する次戦での引退を明言。一方のパッキャオは試合後のインタビューで判定への不満を漏らし、会見では試合前に肩を負傷していたことを明らかにするなど、「気高き敗者」となっていないのは少々不満。これだけの巨額のマネーを生み出す両者の対戦をもう一度・・・と考える人間は必ず出てくるだろうが、正直今はそんな先々のことに思いを馳せる気にはなれない。しばらくは、ただひたすら「祭り」の余韻にひたっていたい。
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いつも昼間は閑古鳥のスポーツバーに人があふれてて入れませんでした
仕方なく外人用のお高いバーの方にいったら交差点をまたがる程の超長蛇の列・・・
結局見れませんでしたが、兎に角ファイトマネー分の経済効果は間違いなくあった事は実感できました・・・
やっぱり二人が拳を交えてるのは夢の様でした。
深く刺されそうな左を目を見開き紙一重のスウェーでかわすメイウェザー。高速のジャブをしっかりパリしながらブローを放つパッキャオ。もちろん私はスローじゃないと確認できませんでしたがw 高次元の攻防戦は、どつきあいとはまた違った緊張感がありました。楽しかったです!
パッキャオが終盤に前に出ても手数を出し切れなかったのは、マルケス戦のトラウマではなく単純に、打てども打てども当てられなかったからだと思います。
トラウマどころか相討ち狙いなど、かなり強引な攻めも散見されましたし、前に出る気迫が折れたとは思いませんね。
ただ、そもそもリーチ差もありますし、普通にボクシングを展開していたのではメイウェザーが試合を支配するのは目に見えていた訳で、パッキャオは突貫ぎみにいく以外戦略の選択肢は無かったんですよね。
パッキャオの仕上がりはここ数戦では一番良かったですし、メイウェザーがリズムを掴む前にパッキャオの攻撃を捌ききれていないような場面も見れましたので、序盤は非常にスリリングでひょっとしてと思わせる瞬間も多かったですが、やはり中盤以降にもなるとメイウェザーがすっかりパッキャオのリズムを掴み、いつもの相手に何もさせないような展開に。
序盤はきっちりガードも固めて無理をせず、相手のリズムを掴み始めてから自分の得意の展開に持ち込むと。
最終ラウンドラストですら全く打ち合いに応じないと。
この固い試合運びが無敗を貫いてこれた要因なんでしょうね。
パッキャオの踏み込むスピードや跳ねるようなパンチの軌道は全盛期に見劣りしない程でしたが、それでいてあれだけ当たらないというのはちょっと不思議な光景でしたね。
メイウェザーは正直なところ地味勝ちですけど、やっぱり本質の部分で史上最高の天才なんだなと。
昨日まではもう遅いよとどこかで思っていましたが、今はこの試合の実現が遅過ぎたとは思っていません。
リングサイド席が3000万円まで跳ね上がったとかもそうですが、
ここ日本でも、WOWOWのサイトがパンクしたとかw
ツイッターのHOTワードの上位もこれ絡みが独占したとか。
まさに世界中に影響を及ぼしたことを実感しました。
試合そのものについてですが、私の場合はパッキャオへの肩入れが大きすぎて正直何も考えられません。
実際観ながらの個人採点でもドローでしたし・・・
なんか、この後に控えている注目の試合も何だか観る気がなくなってしまっていて、この脱力感を何で癒せばいいのか分かりません。
マイダナ戦のときは、メイ勝利に疑問を唱える声が大きかったこともあってのリマッチでしたが、今回はそれもなさそうなのでリマッチの機運も高まることなく、サーマンあたりを相手に同じ展開で何もさせず、無敗で引退が濃厚ではないでしょうか。
スポーツバーまで満席でしたか!日本でそんな光景が見られるとは想像もしていなかったです。昨日は本当に「お祭り」でしたね。
>moriya01様
素人目に分かりやすい試合ではなかったですし、フラストレーションが溜まった人も多かったでしょうけれど、前半戦の息詰まる攻防だけでも十分元は取れたと思っています。「神対神」のキャッチフレーズは決して過大広告ではありませんでした。
>おっさん様
昨日のパッキャオでダメだったということは、もう誰もメイウェザーにクリーンヒットは当てられないということでしょうね。4Rの一発の後、パッキャオが追撃できていれば…と悔やまれます。
>みゆパパ様
試合開始2時間前ぐらいから入ってくるこうした情報を見ているだけでとにかくワクワクしてしまい、本当に「イベント」としてはこれ以上ない一戦でした。
脱力感に陥る気持ちも非常に良く分かりますが、ボクシングが終わるわけじゃありません。まずは内山のV10を見届けましょう。
パッキャオが勝てなくて残念としかいいようがありませんが、僕はパッキャオを敗者だとは思っていません。4Rのパッキャオのラッシュは、一生忘れないと思います。
次、ゴロフキンとロマゴンの日に予約入れるときは、また「ゴロフキンって誰?」って店内さんに言われるんだろうなw
今回の試合に関して聞いた話の中で自分が一番驚いたのが、日本でさえスポーツバーが満席になったという点です。大勢集まってあの試合を見たら、また興奮度合が違ってくるんでしょうね。