反り立つ壁に撃沈。


by nugueira

石井慧、総合引退(を示唆)

 11日のIGFに出場する石井慧が突如今回の試合限りでの引退を示唆。

 まずは11日の試合後に当人が何を言うかを見届けるべきで、今すぐ総括をしてしまうのは時期尚早なのかもしれないが、今回の引退のニュースに「うわあ・・・」と驚きつつも「そんなあ!撤回してよ!」という気にはイマイチならないところに、石井のプロ格闘家としての商品価値が集約されちゃってると思う。

 石井のMMA戦績を改めて見返してみると12勝4敗1引分。IGFに参戦した2012年大晦日以降は8連勝しており、対戦相手の中にはティム・シルビアやペドロ・ヒーゾといった元UFCファイターも含まれている。完全にピークを過ぎた相手と戦っていたとはいえ、日本人ヘビー級でこれだけの戦績を残せる選手はおそらくいないはずで、ポテンシャルの高さは「それなり」以上には示していたのではないか。

 一方で負けた相手は吉田秀彦にヒョードル、そしてミルコに2連敗。「格闘技ブーム時代のトップ選手」にはことごとく負けてしまったわけで、この辺で旧世代超えを果たせなかったのが対世間という意味でも痛かった。デビュー戦だった吉田戦や、引退間際だったとはいえ実力差は明らかだったヒョードル戦はともかく、昨年のミルコ戦は現在の相対的な力関係を見ても勝たなければいけない相手だったはずで、この敗戦で気持ちの糸も切れてしまったか。

 これはもう完全に結果論なのだが、こういう形でキャリアが終わりを迎えるなら、IGFである程度連勝を重ねた時点でUFCに挑んで欲しかった。プロ転向後に一度UFCと契約したのに離脱してしまったり、プロ転向を表明してからデビュー戦まで1年以上引っ張ってしまったりと、石井のキャリアはとにかく「勝負に行くタイミングを間違え続けた」という印象が強い。あれだけ世間からも格闘技ファンからも注目を集めた金メダリストのプロ転向劇が、なぜこうも中途半端な形になってしまったのか。この辺は本人へのロングインタビューを是非行ってほしい。

 それにしても今回の引退に際して「貯金は十分あるので、しばらくゆっくりしたい」という発言が飛び出しているところを見ると、IGFのギャラって相当良かったのかね。比較的緩い相手との試合で稼げる環境にたどり着いたことが、キャリア形成にはある意味不幸だったのだろうか。
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Commented by みゆパパ at 2015-04-10 19:34 x
60億分の1を目指すなんて宣言して、MMA転向したのはいつの頃でしたっけw

デビュー戦で、たいして打撃得意じゃない吉田相手に腰が引けてるのを見て「ダメだこりゃ」となったものでした。
その予想どおりメインストリームに出てくることもなく、
私生活含めてイロモノ的な感じでしかありませんでしたね。

そういう意味でもこのニュースを見たときの感想は、
ヌゲイラさんと同様な感じでした。
Commented by おっさん at 2015-04-10 23:36 x
デビュー当時と比べれば随分とまともな選手になってきていたとは思うんですが、年月を考えると既に若手でもなんでもないですし、ミルコに連敗というのは厳しすぎた現実だったかもわかりませんね。
何故ちゃんとライトヘビーで勝負しないのかなとは思いますが、日本で重量級の試合が組めるイベントは非常に限られてくるので選択肢は多くなかったのかも知れません。

吉田らと比べると時代に恵まれない選手になってしまったと思いますね。
プライドなら仮に勝ったり負けたりでももっと目立つ訳だし、それだけで随分印象は変わるでしょう。
戦国もドリームも石井がデビューしてほどなく消えましたし、活躍の場そのものが無かったような印象です。

でもまあ突如柔道に復帰したりもしていますし、結構破天荒な人物ですのでこのまますんなり引退するかどうかはわからないですけど。

Commented by スラッカー at 2015-04-11 21:25 x
自分も最初のデビュー戦をみて
「打撃のセンスもなければメンタルもない。こりゃダメ」
と思いましたが、試合を重ねるごとに成長する姿に無事是名馬という言葉の重みと自分の見識の無さを恥じました
特に技術体系が手探り状態だった初期に比べ今は比較的安全に技術習得が可能でしょうから、
石井の体力と真面目さは相対的に他の才能より重要になるかと

自分としては流石に単身赴任で練習し続けるは肉体的には兎も角精神的にきついと思いますので、
国内なり奥さんを呼ぶなりして精神的な練習環境を整え、
減量してミドル辺りで復帰してくれればまだ面白いのではないのかなと
Commented by nugueira at 2015-04-12 20:37
>みゆパパ様、おっさん様、スラッカー様
 コメントありがとうございます。おっさん様ご指摘のとおり国内のメジャーイベントが下降線をたどる中でのプロ転向だったので、話題性の受け皿がなかったのが不幸ではあります。階級を落として北米挑戦の選択肢もあったはずで、やはりキャリア形成のやり方にも問題があったのは間違いなさそうですが。
by nugueira | 2015-04-08 23:32 | その他(総合・寝技系) | Comments(4)