ベラトールにお家騒動!スコット・コーカーまさかの表舞台復帰。
2014年 06月 21日
ビジネスとして急成長を遂げ大資本をバックにつけることに成功したものの、やがて創業者自身が経営方針の違いから会社を追われる・・・というのはアメリカのビジネス界ではいかにもありそうな展開。レブニーには失礼ながら、ニュースを知った瞬間「アメリカではMMAがビッグビジネスとして成立していることを示す一件」という印象を持ってしまった。
とはいうものの、代わりにトップに就任したのがスコット・コーカーというのがなあ・・・。ここ何年かの北米MMAの動向を見てきた人間なら「UFCに対抗するビッグイベント路線を打ち出して失敗したコーカー」「UFCとは異なるフォーマットを確立することに成功したレブニー」という評価になるはずで、なんでわざわざ一度UFC相手に討ち死にしている人間を呼び戻すのか、というのが不思議。
もっともここ最近のベラトールを見ていると、発足以来の基本フォーマットだったトーナメント制と元UFCの大物選手を招聘するマッチメイクが完全に噛み合っておらず、トーナメントの形骸化が指摘され続けていた。
レブニーの築いたフォーマットは振興団体が中堅クラスへ成長し、そこから頭一つ抜け出すまでのビジネスプランとしては適していたが、更なるビッグビジネスを組んでいくにはむしろそのフォーマットが障害になり始め、親会社には物足りなくなってきた・・・というのが今回の解任劇の経緯か。facebookみたいにデビッド・フィンチャー監督あたりが映画化してくれないかな。
後任にコーカーを置いた時点でここ最近のビッグイベント路線を継続・強化していくのは明らかで、今後はUFC対ベラトールによる選手の引っ張り合いや興業戦争は露骨になりそう。さっきも書いたようにコーカーはかつてUFC相手に負け戦を経験しているわけで、どちらかというとベラトールにとって先行き不安な展開。逆に言えばUFCのやり口や手ごわさを最も知っているのがコーカーともいえるので、バイアコムとしてはその辺を見込んでの抜擢なのだろうけど。
bodog、IFL、エリートXC、ストライクフォースといった新興勢力がUFCに挑んでは死屍累々の山を築いていった北米MMA戦史。ベラトールは墓標の中に名を連ねてしまうのか、それとも新しい歴史を書き加えていくのか・・・。