反り立つ壁に撃沈。


by nugueira
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UFC173の感想(メイン以外)

 メイン以外の感想を。

トニー・ファーガソン○-×菊野克紀(1R KO)
 菊野は序盤こそ空手の構えから飛び込んでの左右のフックや前蹴りをヒットさせるものの、ファーガソンが徐々に左ジャブを当てペースを奪っていく。パンチを被弾し続けた菊野は有効な反撃を出せないまま下がり続けるだけの展開に。テイクダウンされた後の腕十字やスピニングチョークはなんとか凌いだものの、スタンドでの再開後、菊野の打ち終わりにファーガソンの右がクリーンヒットし菊野が大の字にダウンしたところで試合終了。
 菊野のスタイルはさすがに北米で戦うには無理がある、とはかねてから言い続けてきたことなので結果は予想通りではあるのだが、なす術なくパンチをもらい続けて敗れる菊野の姿を見るのはやはり微妙にショック。智将・高阪も含めた菊野陣営は、果たしてここからの巻き返しなるか。

ジェイミー・ヴァーナー×-○ジェームス・クラウス(1R終了 TKO)
 クラウスがローや前蹴りで攻勢。ヴァーナーは距離を詰めてパンチ・・・といきたいはずだが、ローを受けてスリップした後は明らかにヒザの踏ん張りが効いておらず、動きがままならない。一度はタックルからテイクダウンに成功するものの、その後は踏み込んでパンチを打つだけで転倒を繰り返す明らかな異常事態。結局1R終了後のドクターチェックでストップがかかり、クラウスが勝利。
 確かネバダ州ルールではセコンドのタオル投入が認められていないのだが(タオルの方を見た選手が無防備の状態で攻撃をもらったら危険、とかいう理由だっけ)、このルールだとこういう状況で面倒くさいことになってしまう。タオル投入がないのならレフェリーや運営が早めにストップをかけなきゃいけないはずだが、ラウンド終了まで全員様子を見てしまうのはまずいよなあ。

水垣偉弥○-×フランシスコ・リベラ(判定)
 1Rからリベラが鋭いパンチを見せるが、打ち合いの展開から逆に水垣が左フックをヒットさせ、リベラがよろけるようにダウン!いきなりチャンスを迎えた水垣だがここからは決定的な追撃を入れられず。リベラはラウンド終盤にテイクダウンも奪いかけ、まだまだ死んでいない感じ。
 2Rは序盤にリベラのハイキックが浅く入り、水垣がタックルに来たところをギロチンに捕える。しかし水垣はここから上のポジションをキープすると、ラウンド後半はバックを奪ってチョークを狙い続ける。最終ラウンドも右を打ち込んでリベラをダウンさせると、そのまま上を取り続けて試合終了。水垣が完勝といっていい内容でUFC5連勝。
 水垣は打撃戦では厄介な相手、という評価だったリベラに最後まで打ち負けることがなかったのがお見事。ボクシング技術に相当自信を持っているのが見てとれた。フィニッシュするチャンスで攻め切れなかったところをはじめ反省点もあるが、また一歩上のステップへと進んでみせた。
 日本の格闘ファンとしては「今回流れたディラショー戦を9月の日本大会で是非!」という希望が嫌でも頭に浮かんでくるが、果たして今後のマッチメイクの行く末や如何に。

ロビー・ローラー○-×ジェイク・エレンバーガー(3R TKO)
 1Rはローラーが左ミドル・左ハイを繰り出し主導権を握る。エレンバーガーはなかなか自分の間合いを作ることができなかったが、ラウンド終盤にようやく懐に入ってパンチが当たるようになった。
 しかし2Rに入るとローラーが圧力を強めパンチ・キック・ヒザと多彩な打撃で先手を取り続ける。エレンバーガーは何度か立ったままバックに回るもののそこから先のテイクダウンにつなげられず、逆にローラーがボディへのヒザを突き刺す。
 最終ラウンド、後がないエレンバーガーは左右のフックを強振。これで一度はローラーを下がらせるものの、ローラーはここから再度反撃。ワンツーでエレンバーガーを追い込んでいくと、最後はケージ際で跳びヒザをヒット。ダウンしたエレンバーガーに追撃を入れたところでレフェリーがストップし、ローラーが再起戦を白星で飾った。
 ローラー勝利を予想しつつもどちらに転ぶか分からない一戦だと思っていたのだが、ここまでワンサイドの展開になるとは。ローラーは力ずくの打撃戦というよりは冷静な組み立てでペースを握り続けていたのが印象的。王座決定戦の惜敗を経て逆に強くなっている感じで、ジョニヘンと再戦するまで負けないんじゃないか、という気すらしてきた。

ダニエル・コーミエ○-×ダン・ヘンダーソン(3R 裸絞め)
 90.3キロとだいぶ絞り込んだようすのダンヘン。やはりTRTを使っていない影響か?
 1R開始早々、ダンヘンに組み付いたコーミエが投げ飛ばすようにテイクダウン!コーミエはここからサイド、ハーフガード、マウントと巧みにポジションを変えながらダンヘンを抑え込み続け1Rが終了。ダンヘンはダメージはともかく、体力を相当削られたか。
 2Rはダンヘンがパンチを振るうも、コーミエがタックルからテイクダウン。ここから先はコーミエが再びレスリング力で圧倒し、脱出するダンヘンの動きを先回りするようにポジションをキープ。とにかく体型に似合わぬスピーディーな動きで、ダンヘンは何もさせてもらえない。
 勝負の大勢は決した最終ラウンド、動きの衰えないコーミエは飛び込んでの右をヒットさせると、ダンヘンを抱え上げボディスラム!この後は1・2Rと同様ポジションを変えつつダンヘンを起き上がらせず、パウンドで削り続ける。最後はバックに回りこんでチョークスリーパーに捕えると、そのままダンヘンを絞め落として一本。
 五輪レスラー同士の対戦だったわけだが、コーミエがまるで稽古をつけてやっているかのようにダンヘンを圧倒。もともとヘビー級に似合わぬスピードが持ち味だったが、それがライトヘビーでもそのまま通用している。エヴァンスは怪我で対戦が流れて命拾いしたな。
 レスリングとポジショニングのスキルに関してはジョン・ジョーンズを軽く凌駕しているのは間違いなく、試合後の「ジョン・ジョーンズ!逃げることはできないぞ!」というマイクが虚勢でもなんでもなく、真実味を帯びて聞こえてくる。ジョーンズはグスタフソンとの再戦をクリアしても待ち受けているのはコーミエ。地獄の防衛ロードだな。
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Commented by アンドレ・ホグ at 2014-05-27 03:26 x
菊野が序盤パンチを当て続け「おおすげえ」と思ったのも束の間、トニーがすぐさまジャブから組み立てるオーソドックスなボクシングスタイルに切り替えてから全くいい所がありませんでしたね。
次戦で何かしらの対策を立てないと同じようにやられるのが目に浮かびますので、どうにか彼らしい独特のペースに持ち運べる戦術を編み出してもらいたいです。
こういうふうに言うのは簡単ですが、難しいでしょうね。
Commented by みゆパパ at 2014-05-27 11:51 x
ヌゲイラさんが仰っている「北米では通用しない」ってのは、
グラウンドでの技術を含めた話だと自分は思っているのですが、
今回はそれ全く関係なく、菊野の生命線の打撃オンリーで完膚無きまでにやっつけられちゃっているので、そういう意味で今後の巻き返しが全く想像できないです。

日本大会でのタイトルマッチはきっと厳しいですよね。
①水垣タイトルマッチ挑戦となるが、日本大会以外のナンバーシリーズで。
②水垣日本大会出場も、対戦相手はチャンピオン以外。
のどちらかでしょうが、
②となった場合、ディラショーは別の相手とタイトルマッチとなりそうですし、水垣は日本大会をしっかり勝ちつつ、タイトルマッチは来年になりそうですかね。
どちらにしても、なんとかタイトルマッチまではたどり着いてほしいものです。

ダンヘンはレジェンド枠入り確定ですかねぇ。
本人はミドルに落とすことも検討するとか言って、
まだまだベルトへの執念は失ってはいないようですが。
Commented by スラッカー at 2014-05-27 22:00 x
菊野は「あの構えはヒットアンドアウェイされたらきついんじゃ」
と思っていましたがそれ以前のところで・・・

水垣は最後の打ち合いに応じた時「余計な事すんな~!」とか思ってしまいましたが
ちゃんと残り時間を計算しての打ち合いだったんでしょうね
逆にあそこで下手にひくと判定が割れてしまうかもだし
観客以上に冷静というのは凄いです

コーミエダンヘンは本当に稽古をつけてるような感じでした
ダンヘンTRTが抜けたから今まで通りにはいかないだろうと思いましたが
コーミエ相手ではTRTうってても結果は変わらないだろうなという感じでした

ただDCはJJ相手でも「稽古をつけてしまう」かもしれないんで
この試合でダンヘンの判定は難しいですね
Commented by nugueira at 2014-05-27 23:52
>アンドレ・ホグ様
 自分の土俵のスタンドで完敗ですから、ご指摘のとおり立て直しの方策が全く浮かばないのが正直なところです。次の試合はリリースがかかりますが、厳しくなりそうですね。

>みゆパパ様
 バンタム級以下は非ナンバーシリーズでタイトルマッチを行った例もありますが、まあ客観的にみて日本大会は厳しいでしょうね。バラォンの再起戦の相手に選ばれるという展開だけは勘弁してほしいです。

>スラッカー様
 水垣は微妙な判定に泣いた経験もありますし、UFCでのポイントの獲り方をよく把握していますね。
 ダンヘンはもう潮時だと思うんですが、毎回この状況から這い上がってくるんですよねえ。
by nugueira | 2014-05-26 23:50 | UFC | Comments(4)