反り立つ壁に撃沈。


by nugueira
カレンダー
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31

井岡敗れる。疑惑の判定か、老獪さの勝利か。

 IBF世界フライ級タイトルマッチ、アムナット・ルエンロンvs井岡一翔をテレビ観戦。

 1R、アムナットが振り回すようにパンチを連打。井岡はがっちりガードを固めて有効打はもらわないが、重さもハンドスピードもあり迫力十分。井岡は慎重な動きに終始し、1Rはアムナット。
 2Rは井岡が圧力をかけながらボディブローをヒット。ポイントは取ったように見えるが、打ち終わりに飛んでくるアムナットのパンチがやはり怖い。
 3R終盤には突然飛んできたアムナットの右アッパーがヒットし井岡の動きが一瞬止まる。続く4Rもアムナットのアッパーがたびたび井岡を捉え、アムナットペースのまま前半が終了。ただ井岡も確信犯的に後半勝負を狙っている節はあるか。
 果たして5Rに入ると、井岡がこれまで以上に圧力を強めて前進。ギアを一段上げてアムナットを追い込んでいく。しかしアムナットも曲者で、4R終盤辺りから疲れ始めた気配は見せているのだが、巧みなクリンチで井岡をいなし続け、なかなかペースを握らせない。この辺はさすがムエタイ出身というところか。6R終了時の個人的採点は58-56でアムナット。
 7Rから9Rは井岡が圧力をかけ続けるのだがアムナットがクリンチで攻撃をさせず、隙を見て単発のパンチを入れるという同じ展開の繰り返し。8R辺りは井岡のジャブが入り出して少し流れが変わりかけるのだが、いずれも判断が難しいラウンド。個人的には攻めあぐねてはいるが圧力をかけた分井岡が取っているか、という印象。
 10Rはクリンチを繰り返すアムナットに対し、レフェリーが遂にホールディングの減点。井岡にとっては大きなポイントだが、これ以降もなかなか攻防が噛み合わない、というかアムナットが噛み合わせない。スタミナ面では余力十分のはずの井岡だが、11・12Rも手数を出すことができないまま試合終了。

 個人的採点では1・3・4・6・11がアムナットで残りが井岡。減点込みで井岡が115-112という採点にしたが、正直後半戦は何とも言い難いラウンドばかりで、自信が持てない。
 そして判定。114-113で井岡1名、119-108と115-112でアムナット2名。既定路線かと思えた井岡の3階級制覇は予想外の結末を迎えた。

 判定を聞いた瞬間は「うわー井岡負けたか!」と思ったのだが、「まさか」というよりは「こういう判断になったか」という気持ちの方が強かったのが正直なところ。119-108は馬鹿にしすぎだと思うが、井岡が圧力をかけ続けながらもまともな有効打をほとんど入れられていなかったのは事実で、アムナットが試合をコントロールしていたという見方ができるのも確か。自分は7~9Rは全部井岡のラウンドにしたが、見る人によってはこの辺りが全てアムナットについていてもおかしくなかったと思う。アムナットの試合運びがどちらかというとムエタイ的なので、ボクシング基準からするとかなり違和感は感じるのだが。

 微妙な内容でプロ初黒星をつけられてしまった井岡サイドとしては判定への不満も出るだろうが、アムナットのリーチと老獪さを崩せず、挑戦者としての「ベルトを奪う試合」ができなかったのは紛れもない事実。これまでのような圧倒的な安定感や相手のスタイルにアジャストして試合を組み立てる対応力は全くといっていいほど見られず、正直「今回勝ったとしても、フライ級で戦っていくのは厳しいだろうなあ」と思わされる場面が何度もあった。
 思わぬところで思わぬ形で躓いた形になったが、無敗のままキャリアを終えるボクサーはほぼ皆無なわけで、むしろ敗戦からどう巻き返していくかを見せていくのもボクシングの醍醐味。アムナットとの再戦が実現する可能性は十二分にありそうだが、そこで今回の黒星を帳消しにするようなパフォーマンスが見せられるのか。井岡の真価はそこで問われることになる。

 高山の試合の感想は明日。人気ブログランキングへ
[PR]
Commented by おっさん at 2014-05-08 00:58 x
ハングリーさに欠けるというか、11,12Rの拙攻を見るに状況もよくわかっていなかったのかなあと。
顔面ガードを固めたままで手数が出ない。
ベルトを奪いにいく姿勢ではなかったですね。
全体的に手数、有効打共相手が上で、満点はさすがにどうかと思いますけど、井岡の圧力と相手のダークプレイの悪印象だけでは埋まらない差があったと思うので、負けは必然だったと思います。
距離は詰められている場面が多くあったので、我武者羅な手数が出せていればと思いましたね。
もっとハングリーに泥臭い試合も出来るようにならないと。

高山が終盤相打ち覚悟で強引に乱打戦に持ち込み試合の流れを自分に引き寄せたのと、凄く対照的に見えました。
ボコボコ顔で勝利の高山と顔面を固いガードで守り続けて負けた井岡で結果は明暗を分けましたね。
特に最後2Rを無駄にしたのが残念です。
自分はざっくりですが115-112アムナットかなと思いました。
Commented by まつば at 2014-05-08 02:45 x
初めてコメントさせていただきます。よろしくお願いいたします。

僕は115-114でアムナット選手でした。さすがにフルマークはないと思います。

しかしながら、井岡選手は序盤から待ちのボクシングになっていた様に思います。そして、前にへ出るのも直線的なそれに終始していたので、アムナット選手はやりやすかったのではないでしょうか。

今のままだとリベンジはキツいと思います。
Commented by みゆパパ at 2014-05-08 10:21 x
井岡陣営が判定に不満だとのコメントが出てきてますね。

試合中、ポイントで勝っていると判断していたのは間違いないでしょうから、その点ではセコンド陣にも責任があるでしょうね。
ポイントで負けていると判断していたとすれば、違った作戦を指示していたでしょう。もちろん、違った作戦を遂行できたかどうかは、たらればであり現時点では分かりようもありませんが。

「ジャッジに判断を委ねるな(byデイナ)」ですねw
Commented by スラッカー at 2014-05-09 02:03 x
自分は素人なのでよく分りませんが
井岡ってこんな亀○のようなスタイルでしたっけ?
Commented by ユウツギ at 2014-05-09 04:45 x
試合をまだみていないんですけど、リゴンドーvsドネアみたいな感じですか?
Commented by nugueira at 2014-05-15 23:51
>おっさん様
 井岡ほどの選手があそこまで工夫のない試合をしてしまったことが本当に不思議です。仰るとおり、高山のような泥臭さも身に着けないと厳しいでしょうね。

>まつば様
 コメントありがとうございます。レスが遅れ恐縮ですが、今後もよろしくお願いします。
 井岡は本来クレバーな選手のはずなので、再戦が実現すればまた違う展開を見せてくれる、と信じたいのですが・・・。

>みゆパパ様
 ホームの試合ということで陣営も採点を読み違えていたんでしょうねえ。ベルトを奪うに相応しい内容でなかったことは確かだと思いますが。

>スラッカー様
 これまではもっと引き出しの多い戦い方をしていました。フライ級に上げてフィジカル面が厳しくなってきたことも関係しているかもしれません。

>ユウツギ様
 リゴンドーvsドネアのようなヒリヒリした空気はなく、単にお互い手数が出ないだけ、というムードのまま12Rが終わってしまった感じです。
by nugueira | 2014-05-07 23:56 | ボクシング | Comments(6)