反り立つ壁に撃沈。


by nugueira

カネロ、サンタクルス、リナレスvs荒川

 WOWOWオンデマンドで観戦したボクシングの感想を。

 まずWBC世界ライト級挑戦者決定戦、ホルヘ・リナレスvs荒川仁人。試合は予想通りリナレスがスピードで優位に立つ展開からスタート。とはいえ荒川もしっかり手数を出して食らいついている。2Rは回転を上げてきたリナレスが左アッパーで荒川をヒヤリとさせる。続く3Rもリナレスだが、荒川は前に出て攻め続け、これまでで一番いい動きを見せる。下馬評で言われていた「後半勝負」の展開につなげるため、打てる手をしっかりと打っている。
 4Rにリナレスのボディブローで削られながらも前進を止めない荒川、5Rに遂にリナレスを下がらせ、ようやくラウンドを取る。後半戦にこのまま流れを変えることができるか?
 6Rもダメージを与えているのはリナレス、圧力と手数は荒川というジャッジの難しい展開になるが、7Rにはリナレスのアッパーがヒットし荒川が一瞬腰を落とす。荒川はそれでもひるむことなく前進を続け、リナレスにとっては嫌な展開になるが、続く8Rはリナレスが終盤戦とは思えないキレのある連打。さらにまたも左アッパーをヒットさせるが、荒川はそれでも倒れない。両者持ち味を出し切る好勝負のまま、試合は終盤戦へ。
 荒川のタフネスに手を焼くリナレスだが、9Rにはカウンターの右からの連打で圧倒。荒川はさすがに立っているのがやっとの状態になってくる。リナレスは最後までダウンは奪えなかったものの、このまま大差の判定で勝利し世界タイトル挑戦権を獲得。
 フィゲロア戦に続いて荒川のバカげたタフネスと粘りが生んだ名勝負。距離を潰しての後半戦勝負という打倒リナレスに向けた戦術をやり切ったが、今日はリナレスの方が一枚上手だった。
 一方のリナレスは圧勝はしたが、荒川を媒介にフィゲロアと比較するとやっぱり苦戦しそうな気がしてきた。スタミナはともかく、パワープレーをゴツゴツと続けられたらどこかで一発もらってしまうのでは。

 続いてWBC世界スーパーバンタム級タイトルマッチ、ホセ・サンタクルスvsクリスチャン・ミハレス。
 1R開始早々、サンタクルスの右がいきなりヒット。この後もサンタクルスは長いリーチからの左ボディ、さらに右ストレートでミハレスを圧倒。ミハレスはサンタクルスに完全に呑まれてしまったか近距離の打ち合いでもサンタクルスにペースを握られ、序盤からワンサイドゲームの雰囲気に。
 4Rにはバッティングによるカットでサンタクルスが出血するものの、これで逆にギアの上がったサンタクルスがこれまで以上に圧倒。ミハレスはボディを効かされ逃げ回るだけになってしまう。ミハレスはどの距離で戦うかの戦術も定まらない完全に手詰まりの様子で前半戦終了。焦点はサンタクルスがいつフィニッシュしてくれるか、という点に移ってくる。
 ところがミハレスは7Rから距離を詰めて打ち合うスタイルをようやく固め、ここから急に粘り腰になってくる。試合の主導権は依然サンタクルスが握っているのだが、決定打となるクリーンヒットが入らないままラウンドが経過。結局このまま12Rまで終了し、2名がフルマークをつける大差の判定でサンタクルスが防衛。とはいえKO確実と見られた前半戦から一転、後半は何が悪かったというわけでもないのだが煮え切らない展開になってしまい、不満の残る試合内容。こういうのを見ると、毎回きっちりKOで終わらせる山中はすごいと思わされる。

 メインはサウル・アルバレスvsアルフレド・アングロの12回戦。こちらも開始早々にアルバレスが左フックを叩き込むと、続いて左ボディがヒット。いきなりボディを効かされたアングロは手数らしい手数が出ず、開始1分でアルバレスが試合を掌握。
 2Rもアルバレスはボディ・右クロス・アッパーと多彩なパンチでアングロを圧倒すると、3Rには振り回すような左右の連打。強弱のリズムを無視した「強・強」のコンビネーションだが、ダメージのあるアングロにこれが次々とヒット。真正面からぶつかって相手を圧倒する見ていて気持ちのいいボクシングで、KOが見れるのもそろそろか、という期待が高まってくる。
 しかしアルバレスがワンサイドゲームで圧倒したのは序盤だけで、5Rからはアングロが前に出るようになってくる。主導権は依然としてアルバレスが握り、7Rには再び手数のギアを上げるのだが、攻め疲れもあるのか序盤のような勢いは感じられず、KOできるか微妙な流れに。8Rにはアングロが更に盛り返し、圧力・手数で負けてきたアルバレスはラウンドを取られた印象。
 それでもパンチのキレと技術で上回るアルバレスは、9Rに左右のアッパーを次々とヒット。続く10Rにアルバレスの左アッパーがクリーンヒット、しかしアングロ踏ん張る・・・という場面でなぜかレフェリーがストップ。観客やアングロ、さらには勝ったアルバレス自身も納得いかない表情を浮かべたまま唐突に試合終了。
 前のラウンドまでにアングロがパンチをもらい続けていたのは事実だけどダウンを重ねていたわけではないし、最後のアッパーも別に腰を落としたわけではなく、さすがに止めるタイミングを間違えているのでは、としか思えないフィニッシュ。アルバレスは勝つには勝ったが、相性的には与しやすい相手だったはずなので後半の苦戦の方が目立ってしまった印象。計量オーバーでパワープレー、というチャベスJrみたいなことをやってるんだから前半戦でしっかりKOしてほしかった。

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Commented by みゆパパ at 2014-03-10 09:47 x
昨日の試合で思ったことは
「リナレスはやっぱりライト級じゃ厳しいんじゃないか」
ということでした。
確かに荒川がタフなこともありますが、あれだけ綺麗にヒットさせておいてダウン奪えないんじゃ、リナレス自身のパワー不足を疑ってしまいます。
タイトルを取ることは不可能ではないでしょうが、安定政権を築くことは無理そうですよね。
まだ28歳と若く、長く現役を続けるためにも階級落としたほうがいいのではと思うんですけどねぇ。
内山とやってくれ!w

そしてカネロ。
後半ヘロヘロで、どこかの誰かが「適当なタイミングでストップかけろや」と圧力でもかけたんじゃないかと邪推しちゃうくらい不自然な終わり方でしたねw

試合そのものはどちらも「負けた選手のがんばりが試合を面白くする」の法則どおり、最後まで飽きずに観戦できました。
Commented by nugueira at 2014-03-10 22:21
>みゆパパ様
 リナレスはパワー不足を解消できないなりにライト級での勝ち方を身に付けていると思いますが、タイトルマッチレベルになると確かに厳しくなるでしょうね。カネロはスカ勝ちして再び株を上げるための試合だったはずなんですが、この内容じゃ微妙ですねえ・・・。
by nugueira | 2014-03-09 22:18 | ボクシング | Comments(2)