チャベスJr&スティーブンソン
2013年 11月 02日
まずWBCライトヘビー級タイトルマッチ、アドニス・スティーブンソン対タボリス・クラウド。
1Rからスティーブンソンが鋭い左ストレートを入れて攻勢。これで完全にリズムに乗ったか、2R以降もスティーブンソンが試合の流れを掌握する。半身の構えからの軽快なステップでクラウドのパンチをディフェンスし、連打が効くわけではないのだが要所要所でタイミングのいい左をヒット。途中からはクラウドのパンチを完全に見切ってしまい、ノーガードから自分だけパンチを当てるというアンデウソンのような芸当まで披露。
ダウンを奪う場面こそなかったもののクラウドにほぼ何もさせず、7R終了時に出血によるTKO勝利で防衛に成功。ドーソン相手にベルトを奪った時は出会い頭の一発で勝ってしまった感じもなくはなかったのだが、今回は文句のつけようがない圧勝。こりゃ強いわ。
続いてフリオ・セサール・チャベスJr対ブライアン・ベラの10回戦。チャベスは1年ぶりの復帰戦。
開始から積極的に前に出ていくのはベラ。1Rはベラが右を入れればチャベスも左を入れ返す、のっけから好戦的な展開。手数で上回ったベラがラウンドを取ったか。
体格で上回るチャベスに対しベラは軽快な動きで攻め続け、手数で圧倒。受けに回ってしまったチャベスは単発のいいパンチは入れるものの、後が続かず流れを変えられない・・・と何かマルチネス戦にも似たような展開。
しかし5Rに入るとチャベスがベラのパンチを見切りだし、ようやく明確にラウンドを取る。ここからはチャベスが狙い通りの展開に持ち込んだか、空振りの多くなったベラに対し左のビッグヒットを的確に入れていく。7Rには左を効かされたベラの動きがガクッと落ちたものの、チャベスは無理に追いに行かず、自分からはあまり前に出ない。
すると8・9Rはピンチを凌いだベラが逆襲に転じ、再び手数で圧倒。チャベスは7Rまでの優勢が嘘のように失速し、序盤と同じような展開になってしまう。
個人的な採点では5~7Rと最終Rをチャベスが取り、96-94でベラの勝ちと思ったのだが、判定は3-0でチャベス。しかもうち1名は98-92というビックリ採点。ベラの手数vsチャベスの一発という構図だったのは確かだけど、ベラの手数の評価がここまで低いものなのか。
チャベスは減量に苦しみ試合直前に契約体重を吊り上げ続けたようだけど、その挙句に中盤のチャンスで仕留めきれず疑惑判定での勝利。王座返り咲きへの道のりは険しそう。