反り立つ壁に撃沈。


by nugueira

UFC166の感想

 好カード揃いだったUFCの感想を。

ダスティン・ペイグ×-○堀口恭司(1R TKO)
 1R、ペイグがテイクダウンからバックに回る。立ち上がる堀口だが、ペイグがおぶさった状態のままチョーク。何とか凌いだ堀口だがラウンド終盤にはテイクダウンも奪われ、劣勢で1Rを終盤。
 しかし2Rに入ると堀口が得意の素早い出入りからのパンチを入れるようになり、左フックを食らったペイグがダウン!一気に攻勢に転じた堀口は一度スイープされるものの再度テイクダウンで上を奪い、パウンドで猛攻。強烈なパウンドをもらい続けたペイグの動きが止まり、堀口が逆転勝利でUFC白星デビュー。
 パソコンの画面を見ながらここまで「よっしゃあ!」「いけえ!」と大声を上げたのは初めてかも。組み付き際・離れ際の攻防に課題を見せつつも、最後は持ち味を発揮してのTKO勝利。正直「最低限の結果さえ出してくれれば」という思いだったので、これは満点デビューと言っていいのでは。次戦はそろそろフライ級への転向を検討してほしいところだが。

ジョン・ドッドソン○-×ダレル・モンタギュー(1R KO)
 ドッドソンが素早い踏み込みから左右のパンチを次々ヒット。左フックを食らったモンタギューがダウンするが、ドッドソンは必要以上に深追いせずスタンドで再開。しかしドッドソンの優位は動かず、最後は左フックを食らったモンタギューが前のめりにダウン。マモルに勝利したモンタギューでさえ1ラウンドKOで完敗。やはりUFCの壁は厚く高い。

ガブリエル・ゴンザガ○-×ショーン・ジョーダン(1R TKO)
 スタンドでの攻防が続いた後、ジョーダンのワンツーにゴンザガがカウンターの右フック一発。ヘビー級おなじみの大味一撃KOでゴンザガが連勝。

ギルバート・メレンデス○-×ディエゴ・サンチェス(判定)
 序盤はメレンデスがタックルを切りつつ的確に細かいパンチを入れていく。メレンデスの肘で目の上をカットしたサンチェスは、ラウンド終盤に打ち合いを仕掛けるがメレンデスの左フックを食らいフラッシュダウン。
 2R以降も主導権はメレンデス。打ち合いを挑むサンチェスのパンチを見切ると、逆に際の場面でパンチを打ち込む。3Rも至近距離で打ち合うがサンチェスの顔だけが腫れ上がっていく展開が続き、勝負ありか・・・と思われた終盤、血まみれになりながらも前進をやめないサンチェスの右アッパーがヒットしメレンデスがダウン!サンチェスはこれ以上の追撃ができず判定でメレンデスが逃げ切るが、FONに相応しい名勝負に。
 サンチェスはこういう試合をしている限り、勝敗に関係なくリリースとは無縁なんだろうな。メレンデスの目線で見た場合、ここでサンチェスに見せ場を与えてしまうようじゃ駄目なんだけど。

ダニエル・コーミエ○-×ロイ・ネルソン(判定)
 1R、ネルソンのパンチに合わせコーミエがシングルレッグからテイクダウン。ネルソンは立ち上がりかけるもののコーミエが際の動きを制し続け、ネルソンを完全にコントロール。スタンドの攻防でもネルソン得意の右オーバーフックをかわすと、逆に鋭い踏み込みからワンツースリーを叩き込む。組んでも立ってもコーミエがネルソンを完全制圧。
 2Rもコーミエがネルソンを圧倒する展開は変わらず。パンチからタックルへのつなぎが最高に上手く、ネルソンに逆転の糸口さえつかませない。3Rはバックブローや前蹴りで試合を組み立て、ジムで練習した技を確かめるような余裕を見せ圧勝。コーミエは試合後にライトヘビーへの転向を表明したが、これだけのレスリング技術とボクシング技術を併せ持つとなるとジョーンズといえど危ないのでは。

ケイン・ヴェラスケス○-×ジュニオール・ドス・サントス(5R TKO)
 開始と同時にヴェラスケスが突進してのパンチ。ヴェラスケスがテイクダウンを奪うがすぐ立ち上がったドス・サントスの左フックがヒット。少し効いた感じだが、ヴェラスケスはなおも構わず前進し、ドス・サントスをケージに押し込んで細かいパンチを入れ続けたまま1R終了。
 ドス・サントスとしては自分の間合いでパンチを狙いたいところだが、2R以降もヴェラスケスの圧力がもの凄く自分の戦いをさせてもらえない。ヴェラスケスは多少のパンチを被弾してもお構いなしに前進を続け、金網に押し込みながらのパンチでドス・サントスを削り続けていく。迎えた3R、ケージから離れ両者の距離がやや空くが、ここでヴェラスケスの右のオーバーハンドがクリーンヒットしドス・サントスダウン!何とか立ち上がり凌ぎ続けるドス・サントスだが、ガードも満足にできておらず意識朦朧としているのは明らか。
 どう考えてもここで止めておくべき試合なのだが、レフェリーが止め所を逃してしまったのとヴェラスケスのパンチを入れては組み付くスタイルのせいで続行されてしまう。4Rにはドス・サントスがまぶたのカットによりおびただしい出血を見せドクターチェックが入るが、ここでも試合は止まらず。結局5Rに大逆転を狙うドス・サントスのギロチンを振りほどいたヴェラスケスがパウンドを入れ、ようやくレフェリーストップ。ヴェラスケスがラバーマッチに決着をつけた。
 3R終盤以降は見ていて居心地の悪さしか感じなかった試合。実況は「死闘」という表現を使っていたが、レフェリーの判断のまずさが招いた「人為的な死闘」だからなあ。PRIDE全盛期にレフェリングのまずさがよく指摘されていたが、こういうのを見せられると「格闘技の競技としての確立」と「レフェリーの質の向上」は別問題なんだな、と思えてくる。ドス・サントスに深刻なダメージが残らなければいいのだが。
 レフェリングの話を置いておくと、ドス・サントスとしては前回と同じような内容での2連敗。「2勝1敗でヴェラスケスが勝ち越した」という数字の話以上に両者の差がくっきり出た形で、ヴェラスケスvsドス・サントスⅣはやるにしても相当先になるだろうな。他にヴェラスケスの対抗馬になりそうな選手が思いつかないのが寂しいところだが。

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Commented by スラッカー at 2013-10-20 23:20 x
ギルメレとDCは技術的な事もさることながら目も凄いですね
JDSとネルソンはタックルもみせないと目がいい相手には当らないし当っても我慢されちゃうんだなと
サンチェスとケイン、JDSは素晴らしい魂を見せてもらいましたが
サンチェスとJDSはちょっと今後が心配です

JDSのレフリーストップは仰る通りですね
レフリーだけを責めるのはちょっと酷かなと

まー兎に角正に神興業でした
Commented by おっさん at 2013-10-21 00:17 x
確かに3Rは止めるべきだったのかも。
でも4Rなんかドスサントスが結構盛り返す場面があったりして凄いなと思ったりもしました。
ドスサントスは打ち返していたのでギリギリ止められなかったのかなと。

ヘビーで5Rマッチとなるとダメージの心配は出てきますね。
1デイトーナメントでとことんやらせるプライドやK-1と比べれば大分マシだとは思いますが、なんせ両者の破壊力が凄いのがわかってるだけに。
Commented by みゆパパ at 2013-10-21 10:05 x
二戦目で薄々気づいてはいたのですが、目を背けていました。
しかし今回の対戦でヴェラスケスとドスサントスとの間に、ちょっと埋めがたい差があることを見せつけられてしまい切なくなってしまいました。

ここは一つ僕らのジョシュに期待しましょう!

WOWOWの放送の中でのインタビューにもありましたが、堀口はバンタムだと全然減量が必要ないようですね。
やはりフライで上を目指してほしいですよね。
Commented by nugueira at 2013-10-25 23:36
>スラッカー様
 確かにコーミエとネルソン、ヴェラスケスとドス・サントスはタックルを混ぜられるかどうかが勝敗を分けた感じもしますね。サンチェスにしても、こういう「命の削り合い」は見ていて興奮するのは確かなんですが、どこまでやらせていいものか悩ましいです。

>おっさん様
 続けたら続けたで「逆転できるかも」という場面は出てくるんですが、さすがにレフェリーが止める勇気を持たないとダメでしょうね。ボクシングのようにリング禍が起きないと改善されないのかも、と考えると怖くなってきます。

>みゆパパ様
 前回は序盤に大きい一発をもらってしまったのでそれがなければ・・・と思っていたのですが、今回の試合を見るに何回やっても同じ内容でヴェラスケスが勝つと思います。
 堀口は今後フィジカルで追い込まれる場面が出てきそうなので、フライ級転向は早めに決断してほしいんですよね。
by nugueira | 2013-10-20 21:20 | UFC | Comments(4)