反り立つ壁に撃沈。


by nugueira

西岡完敗。果てしなく遠く険しい、頂点への道

 WBC・WBO世界スーパーバンタム級王座統一戦(IBF王座はドネアが返上とのこと)、西岡利晃vsノニト・ドネアをWOWOWで観戦。

 ドネアの左フックを警戒して、右のガードをがっちり固めた構えでスタートした西岡。代償として手数は極端に減ってしまい1Rはドネアが取った印象だが、西岡の動き自体は落ち着いており、決して悪くない出だし。
 2R序盤にいきなりドネアが左右の連打。西岡のガードがこうも固いと左フックを入れるのは難しいと判断したか、手数で斬り込んでいく。西岡は引き続きガードをがっちり固めてクリーンヒットは許さないが、ここまで極端に受け身に回ってしまうと後が苦しくなってくるか。序盤4Rは我慢比べの場面も多く客席からブーイングも飛んだが、ドネアが完全にペースを掌握。

 このままではジリ貧になってしまう西岡は何とかして展開を変えなければいけないが、軽快な動きのドネアに対し自分の距離で戦うことができない。迎えた6R、間合いが詰まったところでドネアの左アッパーがヒットし西岡痛恨のダウン。
 西岡はこのダウンで吹っ切れたかこの後から手数が増え積極的に打って出るようになるが、依然として間合いはドネアが掌握。逆転を狙った左ストレートも出すが間合いを完全に外されており、その後が続かない。

 そして迎えた9R、西岡がドネアをロープ際に詰めて連打を入れようとするものの、左ストレートにいこうとしたところで逆にドネアの右ストレートがさく裂し2度目のダウン。なんとか起き上がる西岡だがダメージの色は濃く、ここでセコンドが試合をストップ。西岡、そして日本ボクシングにとっての大勝負は完敗という結果で幕を閉じた。

 客観的に見れば下馬評どおりの結果に終わったわけであり、西岡の敗戦を予想していなかったといったら全くの嘘になる。自分自身を含めこの試合の位置づけを語るときに「結果はどうなろうと」というフレーズが多く使われたのも、ファン自身が無意識のうちに張っていた予防線だったのではないか。
 だが、ここまで一方的な展開になると思っていた人間が果たして日本国内にどれだけいるだろうか?ドネアの一撃を警戒してガードを固め続けていたにも関わらずダウンを喫し、一矢報いることすらできずにKO負け。世界の頂点とはかくも高く、険しいものなのか。

 今回の試合に関していえば、これはもう100回戦って100回負ける勝負。世界トップクラスとの間にはこれほどまでに大きな開きがある、と認めるしかない。
 とはいえ、逆に言えば西岡がいなければこうして「世界との差」を日本のファンが体感する機会すらなかった、というのも紛れもない事実。今後の進退についてはいずれ発表があるだろうが、ここまでたどり着き、「世界の頂点」が見える場所までファンを導いてくれた西岡に対して、今はただただ感謝したい。

 前座の試合も凄かった。人気ブログランキングへ
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Commented by J.V.N at 2012-10-14 18:50 x
仕方ないですね・・・・。ドネアが強すぎました。
最後も、倒されるの覚悟で倒しにいった結果でのko負けなので、判定まで行った過去の相手の方がまだ強かった、とは言われたくないですね。

しっかし、ここまでのワンサイドになるとは思いませんでした。西岡には結構手こずる、あるいは皆の願いどおり「もしかしたら負けるかも(西岡が勝つかも)」という可能性も僅かにあったのですが、西岡にこの内容で完勝するなら、ドネアは間違いなく怪物ですね。是非、リゴンドーとかガンボアとやってほしいです。
Commented by ココス at 2012-10-14 23:28 x
正直もうちょっと早く攻勢に出て欲しかったな
6Rぐらいからプレッシャーを掛け始めてはいたけど、体力も削られてきてたしポイント的にもギリギリだった
気持ちもわかるし取り組んできた戦術もわかるけど、どうせなら動きが落ちる前に勝負して欲しかった
よく戦ったとも思うけど、後手に回ってしまって出ざるを得なくなって出たらやられちゃったって展開はちょっと残念に思う
Commented by トシオカ at 2012-10-15 17:56 x
結果論になっちゃうんですけど、メキシコのメディアも言うように、右ジャブが意外によくヒットしていたんですよね。だから、もっと足を使って、ジャブでボックスしててもよかったんじゃないか、と思うんですけど、あのベテランで頭の良い西岡が出さなかったんだから、出したら危険と考えたんでしょうね。僕は、バレラがハメドを攻略した時みたいに、固いガードといやらしいくらい小さなパンチでいなしていなして焦れてきたところ左っていう作戦とると思ってました。まードネア強過ぎましたねー。
Commented by tarou at 2012-10-16 12:19 x
内容は正直、ひどい試合だったと思います。残念でした。
実力差がありすぎて、戦前期待された白熱した展開はひとつもなく、スピード差から攻防にまで至らない場面が延々と続いていて、6R以降は早くストップされてほしいなと感じていました。西岡の動きも明白に悪く、ブランクの影響を感じさせられました。
西岡は大好きな選手だったからこそ悲しかったです。

ただ、ヌゲイラさんの仰るとおり、世界との差を痛感できた、ということに関しては西岡の大きな功績だと思います。西岡の偉大なキャリアに感謝します。
Commented by nugueira at 2012-10-16 23:15
>コメントをいただいた皆様
 コメントありがとうございます。厳しい意見もありますが、これも西岡への期待が高かったが故の苦言なのだろうと思います。戦略については色々と意見が出て当然だと思う一方、個人的には西岡にこういう戦い方しかさせない程ドネアが強かったのだろう、と受け止めています。
Commented by なちょ at 2012-10-17 02:27 x
研究しすぎたのか策に溺れた感じです、西岡は自分のスタイルを消す戦い方を選択してしまい結果的に徐々に自分を追いつめる形になり手一杯八方塞がりになりフィニッシュ。
ボクサーとして以前に身体能力、フィジカルの差も感じました。
あとエンターテイナーとしても失格、あんな消極的な戦い方をするつもりならHBOのメインは辞退するべきだった、この点はアメリカで勝負するためにスタイルを変えた石田の方がずっと偉大。
終わってみれば現地直談判からはじまりダイヤモンドベルト、選択した戦い方から終わらせ方まで、西岡陣営の自己満足劇を見せられた気分になった。
ただそれでもドネア戦までたどり着いたのは凄いことであり、ヌゲイラさんの言うように西岡のおかげで世界の高さを知ることが出来た、そこは感謝です。
さて、今後はどうなるか、これにビビって日本ボクシング界がイモ引かずに後に続いてくれると良いのですが期待して良いのかな?

ふと、先駆者として道を切り開き結果まで出した野茂の凄さはとてつもないとあらためて認識し、1人で世界と戦い金メダルを獲得した村田は怪物過ぎだろほんと快挙過ぎだろとか考えてしまった。
Commented by なちょ at 2012-10-17 02:52 x
http://www.sponichi.co.jp/battle/news/2012/10/16/kiji/K20121016004340560.html
あとこれご存じでしょうか?
「9月に同じ箇所を痛めて、試合前2週間はスパーリングができない状況だった」
これみてガチで左目から涙が一筋垂れてきました
それであそこまで完璧に動けるドネアはどうかしてます
世界と日本の差は相当ありそうです
Commented by トシオカ at 2012-10-17 02:54 x
手数だし始めてからは、当たり始めてたんで、なお残念なんですよね。ただ、だからといって、よくて惨敗が惜敗になるくらいで、勝利は厳しかったと思います。
Commented by なちょ at 2012-10-17 03:11 x
・ファイトマネー
ノニト・ドネア    75万ドル(5900万円) 
西岡利晃       10万ドル(780万円)+WOWOW放映権料
ブランドン・リオス  50万ドル(4000万円)
マイク・アルバラード 25万ドル(2000万円)
https://twitter.com/danrafaelespn/status/256883004104921088

度々コメント汚してスミマセンいつものです。

トシオカさん
悔いは残りますね。

結果は抜きにして、いつもの西岡で通用するかが見たかった。
まあ一発狙いが
Commented by ボックス at 2012-10-17 04:38 x
確かに、ふっきれたあとの西岡が積極的に出していったパンチは、ヒットしてましたね。特に右ジャブ。本田会長もいうように、ベテラン西岡といえども「ドネアが遠く感じて」委縮しちゃっいたんでしょうね。左フックを神格化しすぎたかなってきもします。
Commented by 某ジムトレーナー at 2012-10-19 15:41 x
はじめてコメントします。
今回の西岡選手は完敗でしたが、私が見ていて非常に残念だなと思ったのは、一般人への印象の悪さですね。いろんなところで試合の感想を読むのですが、あたかも西岡がビビッて亀になって、ドネアにいいようにボコボコにされたっていう内容が多いのですが、私はそこまでいうほどの実力差は感じませんでした。前半は作戦通り本当によく凌いでいましたし、中盤から距離感も掴んでいました。一般的には、かなり見栄えが悪く「何もできなかった」というだけに見える内容ですが。ただ、上記の方も仰っているように、だからといって「勝っていた」とは言えない実力差はありました。6ラウンドまで想定内でしたが、それを見抜いて突いてきたドネアがさすがでした。

しかし、あの左のショートにしても、その後の右にしても、ドネアもドネアなりに慎重に西岡の作戦と動きを分析して、必死に放ったパンチです。何もできないジリ貧の西岡が終始ドネアに遊ばれたっていう意見には(このブログではないですが)ちょっとファンとして我慢できなくて、ここに書いちゃいました。長文失礼しました。
Commented by チャベス at 2012-10-19 22:26 x
個人的に、この試合って、「デラホーヤvsクォーティ」に似てるなぁと思ってたんですよね。下の階級から上がってきたスター、デラホーヤがウェルター級で長く防衛していたクォーティーを挑戦者に迎える。クォーティーは、デラとやるために7度防衛したタイトルを返上して1年のブランクを作ってまでこぎつけたリング。一発パンチがあって危険ではあるが1年のブランクと上り調子のデラとの比較で、オッズは4:1とちょっと離れてデラ有利。まさに、西岡vsドネアに似てたんですよね。で、試合もその内容通り、オッズを裏切る緊迫した試合になってほしいと思ったんですが、この試合に関してはオッズ通りになってしまいましたねー。試合後に思ったのは、メイウェザーvsコラレスに似てると思いましたね。実力伯仲の対決と思ったけど、終わってみれば「ここまで差があったか」と思うほどのワンサイドゲーム。
Commented by nugueira at 2012-10-20 20:56
>引き続き、コメントをいただいた皆様
 多数のコメントありがとうございます。コメント数が2ケタいくのは久しぶりなんですが、やはり注目度が高く、ファンが語りたい点も多い試合だったということでしょう。
 今回の試合内容については色々議論はあるでしょうし、個人的には「客観的には凡戦・完敗。というかドネアが凄すぎた」という受け止めをしています。とはいえ、繰り返すようにここまでたどり着いたこと自体が偉業であり、西岡にはただただ尊敬の念しかありません。
Commented by ジョフレ at 2012-10-23 18:34 x
ドネアがライト級まで上げるなら、その過程に、日本には内山高志がいる!内山ならパワー負けしない!しかし、スピードは・・・・
Commented by nugueira at 2012-10-25 22:22
>ジョフレ様
 内山vsドネアも妄想しがいのある組み合わせですね。今回の試合はともかくスーパーバンタムに上げて以降の試合はやや粗さも目立つので、ライト級はさすがに厳しいかな、という気はしますが。
Commented by toto at 2012-10-25 23:45 x
ドネアも憎らしいよな。ヌゲイラさんの言うように、階級上げてからやや粗さもみせていたのに、西岡戦で見せたあの慎重さと完璧な戦略とモンティエル戦以来の殺気、キレはなんなんだとw

ダウン取られてから攻勢に出た西岡、8ラウンドはもしかしてとったのかなと思ったら、公式ジャッジ二人が西岡につけてましたね。ガードルーズにして強引に出て行って右くらったけど、ほんと「これから」ってときだっただけに残念だ!まあ、足使われてたらそれでも終わってたけど。
Commented by nugueira at 2012-10-28 20:35
>toto様
 よりによって日本のファンにとっては最悪のタイミングで最高のパフォーマンスを発揮しちゃいましたよね。最後も西岡の左が先に当たっていれば面白くなったはずですが、やっぱりそれをさせなかったドネアが強かったということなんでしょうね。
Commented by なちょ at 2012-11-01 19:40 x
パンチを出さなきゃ当たりませんよ、左が先に当たってればとかそんなレベルじゃない。それにドネアが慎重に闘ったのは確かですが、拳の怪我で試合前2週間スパーリングが出来ないほどコンディションは悪かったですから。西岡とドネアの実力が僅差なんて笑い話にすら成りません。
Commented by J.V.N at 2012-11-04 18:53 x
僕も明らかに西岡<ドネアだと思います。だけど、トレーナーの方もおっしっているように、素人目から見てそれ以上の惨敗に見える事が残念です。

ただ、なちょさんもおっしゃるように、凡戦だろうが惨敗だろうが言われても仕方が無いと思います。チケットを買っているのもテレビをつけるのも大方は素人なので。

西岡選手が「完敗です」の一言しか言わないのは、彼が真の勝負師で、結果が全てということを誰よりも知っているからだと思います。
Commented by トシオカ at 2012-11-07 09:09 x
専門誌とか専門家のブログでも、トレーナーさんと同じ意見が見受けられます。ぼくも同じ意見です。確かに、西岡は完敗でしたけど、「圧倒的差」「ミスマッチ」みたいな言い過ぎだと思います。
Commented by トシオカ at 2012-11-07 09:09 x
どうして今回の試合が惨敗に見えるのかっていうのを専門家達の話も参考にしつつぼくなりの解釈を書くと、前半は西岡にとって凌ぐラウンドで、何もできないように見えたとしてもそれは想定内。しかし、誤算だったのは、その作戦をドネアが見抜いていて、さらに出てきたところを狙って見事な左でダウンを奪った事。(この左にしたって、ただただくらっただけじゃなくて、あの西岡のガードを見切って、フックと絶妙にフェイントかけて、鋭角的な角度で放った見事すぎるパンチです)これで試合のペースが決定的なものになってしまいました。だから、温存していたラウンドから合わせてみると、序盤からジリ貧の西岡がズルズルkoされたっていうふうに見えるんだと思います。

今回の西岡、壮絶に倒されたモンティエル、ダルチのほうが、判定までいった他の選手より僕は強かったと思います。ただし最後に、それでも完敗は完敗です。西岡選手が何一つ言い訳をしていないのに、ぼくなんかがこんなことを書くのは彼やボクシングに対する侮辱になるので、今後の人生で西岡vsドネア戦の話をするときは、ここに記したような話はあえてしないつもりです。
Commented by なちょ at 2012-11-13 09:40 x
西岡はただビビって右ガードを顔から離せなかっただけ、右のリードが出なければ左も当たりません。
ドネアにとっては簡単だったでしょうね、片手を使わない選手との試合なんて。
作戦とか温存とか意味の分からない言い訳しても西岡のヘタレボクシングには一分の救いにもなりませんよ。
ちなみに西岡は「ドネアのパンチはそれほでもなかった」と恥ずかしすぎる言い訳してます。
海外ではミスマッチと酷評されてることも付け加えときます。
Commented by ドネアは空手かじったことある at 2012-11-21 16:33 x
横からすみません。ボクシング関連には初コメントです。某誌でキックボクシングを担当しているものです。西岡×ドネア戦も本職とは別に現地生観戦しました。ちょっと見るに見兼ねたもので。

なんていうか、なちょさんは、ボクシングがどうの、西岡がどうの、という前にまず国語のドリルを真面目にやったほうがいいんじゃないかな。

いちいちどこがどうとか面倒だから書かないけど、全部「え?なんでそうなるの?」ってくらいコメントがずれていますので。あたかも、上の方々が「西岡は負けてない!」とか「言い訳」してるかのように読み違えて一人でムキになって、レビューには程遠い口汚い悪口ばっかり書き込んでますし。とりあえず読んでいて、まともな格闘技経験が無いことはすぐわかりました。技術面に関して、書いてることがあまりにもド素人過ぎるので。

で、再三ですが、ボクシング云々以前に、まず国語のドリルを先にやったほうがいいと思います。そうすれば少なくとも、例えば「パンチは強いと感じなかった」という試合後のコメントとかを「言い訳」だとかは言わなくなるでしょう。
Commented by ドネアは空手かじったことある at 2012-11-21 16:33 x
そして最後に、一度だけ私も幼稚な感情論を。これは、なちょさんのコメントを読んだ誰もが思っている事だと思うけど、あなた、「ほんと性格悪いね」試合をみた感想なんか人それぞれでいいのに(しかも、みんな西岡完敗だと認めてるのに)わざわざ他人のコメントに非論理的なチャチャをいれなくていいんですよ。

上記の方々や、ヌゲイラさんが何を書き込まれても「大人の対応」で聞き流しているにも関わらず、幼稚に反応し、コメント欄を汚してしまい申し訳ありません。暫くしましたら自分で削除させて頂きますし、また反論等があってもスルーし、これ以後、この件に関する書き込みは一切致しません。
Commented by nugueira at 2012-11-25 22:04
>コメントをいただいた皆様
 試合から1カ月以上が経ちましたが依然として多くのコメントをいただき、ありがとうございます。
 自分の感想は記事やこれまでのレスで言い尽くしてしまった感があるので最近のコメントにはレスしませんでしたが、他の閲覧者に不快な思いをさせないようご配慮いただければと思います。
Commented by パンプキンパイ at 2012-12-28 00:06 x
ヌゲイラさんの言うとおり、試合後に西岡がいろいろ言われるのは「それだけ期待感があったから」だろうな。大橋がリカルド・ロペスに、新井田がロマゴンに惨敗した時はむしろ「よくやった」と、言われたくらいだし。日本人だと上記くらいしかドネアに匹敵する強豪との試合が無いけど、世界的にみても、パッキャオやメイウェザーに挑んだ名立たる強豪達が惨敗している。西岡はよくやったよ。
by nugueira | 2012-10-14 15:48 | ボクシング | Comments(26)