反り立つ壁に撃沈。


by nugueira
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UFC148の感想

 速報はセミまでで途切れましたが、WOWOWを見ての感想を。

アイヴァン・メンジヴァー×-○マイク・イーストン(判定)
 上半身が異様なまでに筋骨隆々のイーストン、小刻みに上体を揺らす独特の動きで圧力をかけ続ける。メンジヴァーも前蹴りやハイキックを出し落ち着いて戦っている感じだが、攻撃が単発でなかなかクリーンヒットが出ない。結局最後まで前に出続け、3Rにはテイクダウンも奪ったイーストンが判定3-0で勝利。メンジヴァーは一発を狙い過ぎたか。
 こうなるとユライアvsベラォンの勝者に挑戦するのはマクドナルド、という流れになってくるのかな。

チャド・メンデス○-コディ・マッケンジー(1R TKO)
 フェザー級ながら身長180センチのマッケンジーが前蹴りを出していく。上背のある相手にこれをやられちゃうと、懐に入るまでが一苦労だよなあ・・・と思っていたらメンデスのボディストレートがレバーに突き刺さり、マッケンジー悶絶するようにダウン(あまりに簡単に倒れたので最初はローブローかと思った)。メンデスが秒殺KOで再起戦を白星スタート。

キム・ドンヒョン×-○デミアン・マイア(1R TKO)
 ドンヒョンのローにタイミングを合わせて組み付き、バックを取るマイア。ドンヒョンが腰の重さを発揮して粘るものの、マイアはクラッチを離さずテイクダウン。するとドンヒョンは肋骨を痛めたのかタップしてしまい、マイアが秒殺勝利。
 正直もうちょっと見ていたい試合だったのでこの終わり方は残念。マイアがウェルター級で通用するか、この試合だけじゃちょっと判断がつかないなあ。

カン・リー○-×パトリック・コーテ(判定)
 これまで同様ミドル主体で攻めるリーに、コーテはパンチで応戦。リーはシウバ戦に比べると回転系の技を抑え目にしている印象。さすがにペース配分を考えたか。
 それでも2Rに入るとスタミナが厳しくなってきた気配のリーに対し、コーテはパンチをヒットさせリーの顔面から出血。しかしリーは手数ではコーテに後れを取らず、3Rには小外狩りからテイクダウンに成功し上をキープするというまさかの展開。判定は三者フルマークでリーが勝利。UFC初白星を挙げた。
 さすがにフルマークはどうかと思うが、コーテがポイントを取れる戦いをできていなかったのも確か。リーはカード変更に助けられた形に。

フォレスト・グリフィン○-×ティト・オーティズ(判定)
 1R序盤にティトがタックルからテイクダウンに成功し、上からのヒジ。全盛期を彷彿とさせる攻めでいきなり見せ場を作るが、ここを凌がれると早速ガス欠の気配。対するグリフィンはリーチを活かして丁寧にジャブを入れ、試合のペースを握っていく。
 このままティトはジリ貧か・・・と思った矢先の2R、ティトが右をヒットさせグリフィンをグラつかせると、一気にラッシュ!しかしグリフィンはこのピンチを何とか凌ぐと、ラウンド後半は再びパンチの手数で優勢に。ティトの予想外の踏ん張りで、試合は我慢比べの様相を呈してくる。
 3Rもティトが左フックでグリフィンを転倒させると、そのままテイクダウンを奪い上をキープ。しかしスタミナ切れかそこから先は攻め切れず、グリフィンは立ち上がるとまたもパンチの手数で優勢になっていく。両者が死力を尽くした激闘の行方は判定へ。
 グリフィンは負けを覚悟したのか判定を聞く前に退場しようとするが、スタッフに促され再びオクタゴンの中へ。そして判定は三者29-28でグリフィン勝利。ラバーマッチを制し、ティトに引導を渡した。グリフィンの手数とティトのビッグヒットのどちらを取るかだけど、さすがにここまで手数の差が開いてしまうとグリフィン勝利の判定は妥当じゃないかと。ブーイングしたくなる観客の気持ちも理解はできるけど。
 個人的にティトに対してはあまり思い入れがない、というか「かつての名声だけで試合している、典型的な過去のビッグネーム」という悪い印象が強くて、今回の引退試合についても「ようやく辞める気になったか」ぐらいにしか思っていなかった。そんな私が敢えて言おう、この日のティトは最高に格好いい男であったと。
 相手のグリフィンも近年パッとしないとはいえ、ワンサイドゲームで敗れて壮絶に散る、という結末になっておかしくなかったこの引退試合。それを各ラウンドともきっちり見せ場を作って、予測不可能なシーソーゲームにしてみせちゃったんだから恐れ入る。この試合に向けて当然コンディションは作りこんできたんだろうけど、やっぱり「持ってる」選手ということなんだろうね。
 グリフィンも試合後に退場しかけたり、判定後は自らマイクを持って即席のインタビュアー役を務めたりと、自分の「仕事」を完璧にやり遂げた印象。こういう点も含めて、つくづく「画になる」試合だった。ハリウッド各社は今すぐこの試合の映画化権獲得に動くべきなんじゃないの?

アンデウソン・シウバ○-×チェール・ソネン(2R TKO)
 開始と同時にソネンがタックル。アンデウソンに脇を差されながらも強引にテイクダウンに成功すると、ヒジやパウンドを狙っていく。アンデウソンは下から肩固めや三角を狙っていくがソネンはきっちりガードし、ラウンド終盤にはマウントを奪取。アンデウソンもしっかりホールディングしてダメージは最小限に抑えた印象だが、攻めらしい攻めは何もできずに1Rが終了。まるで前回の試合の再生VTRを見るような展開。
 2Rもソネンが組み付いてテイクダウンを狙っていくが、ここはアンデウソンが足のスタンスを大きく取ってディフェンス。距離が空いたところでアンデウソンはパンチを入れていく。ソネンはバックブローを空振りしケージ際に転倒。アンデウソンがヒザ蹴りを入れると、そのままパウンドを叩き込んだところでレフェリーがストップ。
 アンデウソンが入れた顔面へのヒザは反則じゃないの?これはまた揉めるなあ・・・と思っていたがスロー映像を見るとアンデウソンのヒザはボディーへ突き刺さっており問題なし。結局最後の最後まで冷静なのはアンデウソンだった、ということか。ソネンはバックブローの空振りはもったいなかったが、その前にテイクダウンを防がれた段階でペースを乱していた感じもする。ソネンをバックブローを打たざるを得ない状況に追い込んだ時点でアンデウソンの勝ちだった、と見ておくのが妥当か。
 予想の範囲内と言えば範囲内だったが、あまりに内容の濃い7分弱の攻防。このムードを作ってみせたソネンはやっぱりプロだよなあ。アンデウソンはこれで前人未到の10度目の防衛。正直、今のミドル級でアンデウソンと戦うだけのテーマ性のある相手を見つけるだけで一苦労しそう。もはやボクシングのスーパー王者やレッスルマニアのアンダーテイカーのような感じで、コンディションをしっかり調整して年1回ぐらい試合をしてくれればいいのでは・・・という気すらしてきた。

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Commented by スラッカー at 2012-07-09 01:50 x
心技体全てにおいて見ごたえ抜群の興業でした

MMAでは逆にボディブローは有効でしょうが
それをやる技術と胆力は凄いですし
破れたとはいえコーデの前半の間合いの絶妙な潰し方も凄いです
ティトの打たれ強さと両者の最後まで折れない闘争心も凄いし
ソネンのアンデウソンに対して1R憶さず自分の仕事をしきる胆力も凄かったです

しかしそのソネンをもってしても歯車を狂わせるアンデウソンの異次元の強さ…
スタンドはもちろんグラウンドで上になってもあの長い手足と技術・センスで相手はプレッシャーを受け続けると
見てるこっちがマウントにいくまではハラハラしちゃうくらいだから
ソネンの削られっぷりは相当なもんだったんでしょうね
Commented by nugueira at 2012-07-09 19:26
>スラッカー様
 完全に結果論ですが、アンデウソンは1Rのピンチも非常に落ち着いていたというか「想定の範囲内」として対処している印象がありました。ソネンは前回の三角絞めの記憶があるから思い切りパウンドにいけない部分もあったはずで、2年前の試合はきっちり伏線として作用していましたね。
by nugueira | 2012-07-08 23:32 | UFC | Comments(2)