反り立つ壁に撃沈。


by nugueira

北岡の「イズム」

 ゴン格最新号を徐々に読んでいるところなのだが、菊野戦直後に行われた北岡のインタビューで

 「菊野の蹴りはもらう前提で、蹴りをもらいながらタックルに行く練習を繰り返していた」
 
 という発言があって度胆を抜かれてしまった。

 競技化の方向に突き進んでいる今のMMAの基準からすれば「どうやって相手の攻撃を食らわないか」「相手の得意な攻撃をどうやって出させない展開にもっていくか」という考えのもとにゲームプランを練ると思うのだが、「相手の得意技を食らうのはしょうがないから、そこからどうやって無理やり自分の得意な展開に持っていくか」というある意味真逆のアプローチ。しかもそれをしっかり勝利へと結びつけてしまったのが凄い。

 北岡は先月号の「フランク・エドガーのボクシングコーチに指導を受ける」という企画でもいわゆる「北米スタイル」に対して否定的と取れる発言をしていたし、さらに遡れば戦極時代のインタビューで日沖の試合について「あれを試してダメだったらこっちにトライして、それもダメならあっち、というのは好きじゃない。これで極めると思ったらそれで極めきるのがプロ」という趣旨の発言をしていたこともあった。(まあ今の北岡の試合スタイルや今回の記事で日沖について触れている部分なんかを見ると、この考え自体は現在は変わっているのかもしれないけど。)

 北岡のこの思想が正解かというとおそらく違うような気がするし、北岡自身も今回のインタビューの中で「自分は口が上手いから『俺の格闘技』と言ってごまかしてる」みたいな発言をしている。
 とはいえ、現在の主流であるスタイルに異を唱え独自の哲学を貫き、なおかつ一定以上の結果を出している北岡の「イズム」は素直に「格好いいよなあ」と思えてしまうレベルに達している。この辺りはやっぱりパンクラスの血が影響しているのかなあ。

 個人的には国内の現状を見るに「トップクラスでも若手でも、海外に行くチャンスがある人はガンガン行ってUFCへの足掛かりを作るべき」と少し前から思っているのだが、中にはそういう価値観と一線を画す選手がいても面白いのかもしれない。今の北岡を見ているとそう思えてくる。
[PR]
Commented by Junghans at 2012-06-28 10:14 x

不器用だけどなんか好きですね、自分も。
Commented by nugueira at 2012-06-28 19:26
>Junghans様
 出身元のパンクラスも「世界標準」へと向かっているので、こういう選手は今後もう出てこない可能性がありますね。
by nugueira | 2012-06-27 23:57 | その他(総合・寝技系) | Comments(2)