ベラトール67の感想
2012年 05月 05日
マイケル・チャンドラー○-×郷野聡寛(1R TKO)
郷野は下がりながらチャンドラーのパンチをいなしていくが、チャンドラーの飛び込んでのワンツーがヒット。さらにチャンドラーの右で郷野がダウンすると、すかさず追撃のパウンド連打。あっという間の秒殺劇でチャドラーが難なく郷野を退けた。
郷野は動き自体は落ち着いていた印象だったし、最初は相手に攻めさせて隙を突いていくプランだったんだろうけど、様子見を許すほどチャンドラーは甘くなかったということか。最後のパウンド連打は郷野がガードしているようにも見えたけど、個人的にパウンド連打は「見込み一本」みたいなもんで、あの体勢になった時点で試合を止めるというのはレフェリーの判断として十分ありだと思っている。このゲームプランを選択した以上、ビッグヒットをもらってダウンしちゃった時点で郷野の負けは仕方ないところでしょう。
郷野は最近の戦績的に国内トップクラスとは言い難い存在だったし、もともとチャンドラーを勝たせるためのマッチメイクなのも明らかだったので、結果に対する衝撃というか悔しさは特になし。先月青木が負けた時点で終戦なわけで、今さら特攻隊が一機撃墜されても騒ぐ必要ないでしょう…というのが身もふたもない感想ではある。
とはいえ対北米では焼野原状態になっているジャパニーズMMA。勝つために何が欠けていてそれをどう補っていくのか、答えはなかなか見つかりそうにないのが辛い。
青木はともかくとして五味だって日本人トップとは言えない気がします。
PRIDE、DREAM、SRCのようなメジャーイベントの選手より、修斗、DEEPで活躍する若手の方が北米で戦っていけると思うんですよね…
世代交代を進めないとどうしようもないのは確かで、修斗の堀口(試合映像見たことはないんですが)のような若い世代が早い段階から北米向けのトレーニングを積んで、ガンガン海外に出ていく仕組みを作らないといけないでしょうね。今そういうルートがあるかというと心もとない気もしますが・・・。
レベルが低く、舞台がリングで肘もない所で試合している選手が急に北米にポンと出ても勝てる確率が低いのは当たり前。
いきなり訳の分からん強さで連戦連勝でタイトル付近まで辿り着く選手なんて日本人じゃなくても稀。
みんな前座で勝ったり負けたりしながら経験積んだりしてる。
特にライト級辺りの選手層が厚い階級はそう。
ネイトも敗戦を重ねながら転級を繰り返したりしてるし、ミラーやソテロだって連勝してる時もあったが厳しいマッチメイクの中で悪戦苦闘の日々が続く。
日本人が通用するかどうかというのは、岡見や水垣のように北米スタイルに照準を合わせて前座から長期的に勝負するぐらいの事をやってる人で見るべきだ。
ジャパニーズMMAというよくわからない概念を握り締めて単発で北米挑戦して負けるのはちょっと違うと思う。
日沖でも前座中堅のエルキンスに負けそうになってたしね。
まあベラトールのこの試合はそういう概念とも全然違う違和感があったんだけどね。
前時代的で意味がないマッチメイクだと思った。
郷野にとっては引退の花道になって良かったのかも知れないが。
日本がかなり置いていかれているのは事実なので勝てる道筋を作っていかないとさらに差は広がるでしょうね、ジムで選手を育成する時点からUFCでどうやったら勝てるかを念頭に置き、試合ルールもUFCと同じにするなど。
ただMMAは覚えるスキルが多いのでその分費用の負担が大きく環境を整えるだけでも大変なようです、そのため若手が育ち辛く世代交代が進まないという悪循環になっている気がします。
いずれにせよ土台をイチから作っていかないとだめでしょうね。
丁寧な御意見、ありがとうございます。ジャパニーズMMAの概念自体意味がない、というのもごもっともで、まずはそこを受け入れるところから始めないといけませんね。
個人的にも最近の状況を見るに、北米で試合できる人間はガンガン出て場数を踏んでいくべきだと思っています。まてせさん御指摘のように、練習環境やルートの整備ができるかという問題が立ちふさがってきそうですが。