反り立つ壁に撃沈。


by nugueira
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禁断の「3度目」。菊田早苗が選んだ「死に場所」。(その2)

 2004年11月のパンクラスNKホール大会で、アイスマン相手にひさしぶりの一本勝ちを収めた菊田は、試合後のインタビューで「グレイシーの選手とやりたい」という対戦表明を行っている。
 一本勝ちとはいえこの日の対戦相手は総合経験のないプロレスラー。精彩を欠いたそれ以前の試合内容を考えると、この時点でのグレイシー逆指名は「唐突過ぎる」という印象を与えるものだった。とはいえ、このアピールは功を奏し、この年の大晦日に開催された「Dynamite!!」では菊田対BJペンというビッグマッチが実現寸前までこぎつける。(最終的にBJの怪我で流れてしまったというのが、何ともまた「菊田らしい」と言えなくもないが。)

 おそらく菊田はこの時期から、自分の格闘家人生の総決算となる大勝負の場を探し始めたのではないだろうか。

 今年の5月にGRABAKAはパンクラスから独立し、所属選手はフリーの立場から各団体との参戦交渉を行っていくこととなった。
 この決定が菊田の独断で決まったというのはさすがに考えられないが、菊田個人として「できるだけ身軽な立場から自分の『大勝負』の場を探したい」という思いがあったのでは、という推測はできる。
 この後、菊田が具体的にどの団体とどのような交渉を行ったのか(あるいは行わなかったのか)を知ることはできないが、最終的にはこうして近藤との3度目の対戦決定にこぎつけた。

 率直に言って、この試合に菊田が勝つ可能性は非常に低い。「寝技で優位なポジションを取らせずに打撃で勝負する」というスタイルを確立している近藤にとって、同体重のグラップラーというのはある意味最高の安全パイと言えるからだ。
 それでもなお、菊田が挑む禁断ともいえる3度目の近藤戦。「実力を持ちながらもメジャーリングへの階段を駆け上がれなかった男」である菊田が選んだのは「階段を駆け上がることのできた男」に対するリベンジだった、というのは穿った見方だろうか。

 大前提として、最初から負けるつもりで試合に挑む格闘家などというのは存在し得ないのだから、非常に問題のある表現とはなってしまうが、今回の試合に臨む菊田からは「自分へのけじめ」「再浮上への賭け」といったものを超えた、「格闘家としての死」すら覚悟している様子が感じられてならない。

 ここ最近は「イロモノ」と呼ばれても文句の言えないマッチメイクが散見され、格闘マニアへの求心力を失いつつあるようにも見えるパンクラスだが、この試合だけは会場で観戦しなければならない、と今から思っている。自ら選んだ「死に場所」に向かう菊田の姿を目に焼き付けておきたいし、試合の結果がどう転ぶにせよ、そこには菊田の「総決算の瞬間」が待っていると思うのだ。

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by nugueira | 2005-08-07 22:58 | その他(総合・寝技系) | Comments(0)