山中快勝!粟生辛勝・・・
2011年 11月 06日
まずWBC世界フライ級挑戦者決定戦として行われた五十嵐俊幸vsウィベルト・ウイカブ。序盤は五十嵐が手数がほとんど出ず、ウイカブもあまり攻め込まないフラストレーションのたまる展開。中盤からはウイカブの間合いを見切った五十嵐が主導権を握るものの、クロスカウンター狙いのせいか積極性に欠ける印象。それでも終盤は空振り続きでスタミナ切れを起こしたウイカブに対して五十嵐がようやく先手を取るようになり、判定3-0で勝利。五十嵐は判定自体には文句はないけど、クリーンヒットらしいクリーンヒットも皆無。もう少しスカッと勝ってほしかった。
WBCバンタム級王座決定戦の山中慎介vsクリスチャン・エスキベルは、序盤から山中が左をタイミングよく入れ続けペースを握ると、6R終盤には左のカウンターで遂にダウンを奪取。さらに7Rにもエスキベルをコーナーへ追い込みラッシュをかけるが、ここは打ち合いからエスキベルがカウンターを入れてダウンを奪い返す。荒れた展開になってくるが、山中はダウンにもペースを崩さず、ポイントを大きくリードして終盤へ。
山中が勝利目前となった11R開始直後、場内の照明が落ちてしまうというハプニング発生。一時は入場用のスポットライトをリングに当てて試合再開という動きもあったものの、無事照明が復旧し一安心。再開直後に山中の左がエスキベルの顔面を捉えると、エスキベルは戦意を喪失したかのようにしゃがみこみダウン。ここは立ち上がって続行するものの、再び顔面にパンチをもらったところでまたもや座り込んでしまいレフェリーがストップ。山中が文句なしの内容で世界王者のベルトを手に入れた。
いい流れで迎えたメインのWBC世界スーパーフェザー級タイトルマッチだが、粟生隆寛が挑戦者デビス・ボスキエロに大苦戦。ガードをがっちり固めて距離が詰まると強打を振り回すボスキエロの変則スタイルに全くリズムをつかめず、4R終了時では1-1の大接戦。
それでも粟生もボスキエロのパンチがよく見えており、中盤からはボディブローを起点にようやく攻勢に。ボスキエロもややワンパターンで攻め手を欠き、8ラウンド終了時点ではジャッジ三者とも粟生。
ところが終盤になると粟生が急に失速。ボスキエロのパンチが粟生の顔面を捉える場面が増える一方で粟生はクリンチで逃れるだけになってしまい、完全にボスキエロペースのまま試合終了。中盤までの貯金が効いて判定2-1で粟生が辛くも防衛に成功したが、試合内容は完全にセミに食われてしまった形に。
粟生は前回のKO防衛で一皮むけたと思っていたのだが、今回は完全に期待外れの内容。序盤から動きがイマイチだったし、減量に苦しんだのだろうか。今回の試合は関東ローカルだったけど、これじゃ「全国放送のメインは任せられない」という評価をされても文句が言えなくなってくる。
前座が13時開始でメイン終了までは4時間半近かったけど、試合の感覚が間延びしているわけでもなく、見ている分にはあっという間に時間が過ぎた感じ。メインの内容はやや残念だったものの、会場観戦を堪能させてもらいました。