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by nugueira
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全日本キック観戦記 揺るがない「小林聡」。「野良犬」という生き方。

第7試合 小林聡○-×デビッド・リー・ホイ(3R KO)
 「豪州三冠王」という触れ込みのホイは変則的なパンチで攻め込むが、小林はうまく捌いてペースを握らせない。2Rからは小林がホイをコーナーに詰めてラッシュをかける場面が多く見られるようになる。左ボディーから右ボディーの連打が非常に効果的。
 そして迎えた第3ラウンド、ホイが前のめりにパンチを打ち込んできたところに小林のカウンターのストレートがクリーンヒット。これで終わっても不思議のない倒れ方をしたホイは奇跡的に立ち上がるが、すぐさまロープ際に詰めた小林がラッシュをかけて2度目のダウン。タオル投入により試合終了。

 大げさな物言いになるが、試合を見ていてパンチの技術や試合運びがどうとかいう以上に、小林の「生き方」に魅力を感じてしまった。

 今年の1月、ファン待望の大月晴明との一戦で小林はうまく距離を取って自分のペースで試合を進めながら、3Rに大月のパンチ1発で形勢を逆転されKO負けを喫している。
 大一番でのこれ以上ない完敗に加えて、34歳という年齢。「引き際」がそろそろ見えてくる。というよりも、周りが小林をそういう目で見てしまう。現に私もあの試合を客席で見ながら「小林はもう終わった」と思わずにはいられなかった。

 だが、その後の小林は4月大会、そしてこの日の試合を2戦連続KO勝利で飾り、自分が築き上げてきた世界で、これまでどおりの存在感を示している。(逆に大一番で勝利を収めた大月の方が、試合後に引退を匂わす発言をし、これ以降リングに上がっていないのは何とも皮肉な状況というほかない。)

 この日の試合後、マイクを持った小林はこんなアピールをした。
 「俺は戦うために生まれてきたからね。誰が何と言おうと、行けるところまで突っ走るから。」

 自分の居場所も、自分の引き際も、全て自分自身で判断して決める。だから周りに流されることもなければ、揺らぐこともない。これが小林聡の「野良犬」としての生き方なのだろうか。

 悪くない生き方だと思う。試合を見た後、心底そう思うことができた。

 「格好いい」とはこういうことを言うのかもしれない。人気blogランキングへ
by nugueira | 2005-07-27 01:00 | 全日本キック | Comments(0)