反り立つ壁に撃沈。


by nugueira

DREAM.15の感想②

 休憩明けに宇野薫がDREAM復帰、フェザー級転向を発表。PPV開始前に笹原EPが「フェザー級でサプライズがあります」と言っているのを聞いたときはてっきり「おっ、遂にリオンがDREAM参戦か」と思っていたので、これは本当に驚き。しかし日本人選手の階級転向、本当に流行ってますね。

菊野克紀×-○J.Z.カルバン(判定)
 菊野はいつもと同様の三戦の構えから打撃戦。カルバンにタックルを仕掛けられても落ち着いて対処し、逆にカルバンをコーナーに押し込む場面も。決定打はなかったものの、1Rは菊野がペースを握った感じ。
 しかし2R序盤にカルバンがタイミングのよいタックルからテイクダウンを奪うと、終了間際までバックマウントをキープ。これが決め手となり判定はカルバン(菊野に1票入ったのには驚いた。)。文句なしの内容ではなかったものの、DREAM初勝利を挙げた。
 菊野は敗れたものの、1R終了までは十分すぎる出来。アルバレス戦といい、負けても「あと一歩」と思わせる選手だ。まあその「あと一歩」をどうやって越えるかが大きな問題なんだけど。

青木真也○-×川尻達也(1R アキレス腱固め)
 落ち着き払った面持ちで入場する川尻、それとは対照的に極限まで自分を追い込んだようなテンションで入場する青木。両雄、遂に激突。
 ファーストコンタクトでタックルから引き込むように下になった青木が、川尻の足を捕らえて足関節の体勢へ。川尻は青木の顔面を蹴って逃れようとするものの、脱出できないまま青木が足を極め続ける。おそらくは限界を超えてまで耐え続けた川尻、遂に無念のタップアウト。時間にしてわずか2分弱。待望の一戦はあまりにあっけない結末を迎えた。

 活字にしてみれば青木のワンサイドゲーム。だけど見ている側にとってはあまりに濃密で劇的な2分間。死ぬほど「勝ちたい」と思い続け、限界まで自分を追い込み続け、それでもリング上では何もできずに敗れ去ってしまうことが、格闘技の世界ではしばしば起こり得る。
 そんな選手の姿はあまりに残酷で、見ていて切ない気持ちにさせられて、だけどそれ故に、格闘技というものはゾクゾクするほど面白い。
 戦前のインタビューで青木も触れていたように、これまでDREAMのリングを支え続けてきた両者。川尻が青木の足関節を堪え続ける2分弱の間、ここに至るまでの青木と川尻の歴史が頭の中でフラッシュバックし、川尻がタップした瞬間はテレビの前で涙がこぼれ落ちた。あまりに短くあっけなかったかもしれないが、ここで断言させてもらう。この両者の試合は紛れもない名勝負であった、と。
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by nugueira | 2010-07-12 23:08 | DREAM | Comments(0)