反り立つ壁に撃沈。


by nugueira

皇帝が負けた日

 今日は昼間は外出していたため、知人からの携帯メールで結果を知った。茫然としながらも、とにかく動画で何が起きたのかを確認。

エメリヤーエンコ・ヒョードル×-○ファブリシオ・ヴェウドゥム(1R 腕十字)
 開始直後にヒョードルのパンチをもらったヴェウドゥムが仰向けにダウン。すかさずパウンドで追撃に入るヒョードルに、ヴェウドゥムが素早く三角を仕掛ける。一度は振りほどいてパウンドを落としていったヒョードルだが、次第にヴェウドゥムに絡め取られていき、最後は腕十字にタップ。わずか1分少々。いつかは来るはずだったけど、できることなら永遠に来てほしくなかったヒョードル敗北の瞬間は、あまりにあっけなくやって来た。

 動き自体は特に悪かったわけではなく、敗因が具体的に何なのか、というのは説明しにくい。ヴェウドゥム相手に序盤から不用意にあの体勢に行ってしまったことがミスと言えなくもないんだろうけど、ノゲイラをはじめグラップラー相手にこのスタイルで苦もなく勝利を重ねてきたのがヒョードルのはず。あそこでヴェウドゥムに付け入る隙を与えてしまったほんのわずかな歯車のズレは、やはり衰えによるものなのか。

 「最強」という格闘技ファンが求めるシンプル過ぎる、でも実現することの難しい理想像を、長きにわたって体現し続けてきたヒョードル。ヒョードルのここ数戦の試合内容は、見ているこちら側にわずかに、でも確実に「不安」を感じさせるものだった。それでも、最後はヒョードルが対戦相手をねじ伏せて、その不安を吹き飛ばしてくれる。そんな絶対的な強さを格闘技ファンは信じていた、あるいは信じようとしていた。どんな競技でも、永遠に勝ち続ける存在なんてあり得ないという事実から目を背け続けて。

 皇帝は、もはや「無敵の存在」ではなくなった。一つの時代、一つの神話が、今日確実に終わりを迎えた。
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Commented by ヒデ at 2010-06-27 22:38 x
最近のヒョードルの戦績やコンスタントに試合をしてないことを踏まえれば負けるの必然だったかも知れません。おれ的にはマネジメントの M-1がストライクフォースや他の団体に対して破格なファイトマネーや困難な契約を迫ってコンスタントに試合をさせなかったことも敗因の1つかと思います。


やっぱり選手って戦ってナンボじゃないですかね(笑)
Commented by J.V.N at 2010-06-27 23:45 x
もしかして、ヴェウドゥムの秘策ってこれのことだったんすかね?派手に効いたふりして寝技に引き込んで、大振りさせまくって絡めとるという。でも、僕もそうだし、みんな引き込まれても極められないのがヒョードルだと思っていたはず。(ちなみに、ヴェウドゥム、ゴンザーガに食らったのと同じタイミングで右アッパー食いそうになってた)ヒョードルの初敗北にショック大なんですが、でも考えてみれば、レスナーもノゲイラもミルコもgspもペンもアンデウソンもみんな負けてるんですよね。それに、再戦したら圧勝しそう。
Commented by 骨骨 at 2010-06-28 02:45 x
UFCヘビーが充実してアリスターという存在も出てきて絶対的な存在ではなくなったのは分かってたんですがファンとしては幻想を信じたいという気持もあって最近はなんとも複雑でした
今回の敗戦である意味解放された感じもします
これからは好きな強豪選手の一人として応援していこうと思います
Commented by J.V.N at 2010-06-28 07:16 x
今入った情報によりますと、ヒクソン氏が「私の言うとおりになった」「私でも出来た事を彼がやっただけ」と仰っているようです。
Commented by nugueira at 2010-06-28 19:36
>ヒデ様
 アメリカのトップ選手も年2試合ペースが普通なので間隔が空きすぎたとまでは思いませんが、今回の敗戦がM-1サイドのマネージメント戦略に大きく影響することは確かでしょうね。

>J.V.N様
 そこまで思い切った策に打って出れますかねえ・・・。あのダウンは演技ではないだろうと思います。ヒクソンの発言については「今さらあんたがしゃしゃり出てくるな」という感想しか浮かんできませんね。

>骨骨様
 ヒョードルの敗北は前々から覚悟はしていたものの、いざ実現してしまうとなかなか受け入れがたいです。ここからどう立ち直るかが興味深いところですが、年齢による衰えを考えると厳しいですかね・・・。
by nugueira | 2010-06-27 20:28 | Strikeforce | Comments(5)