王者の孤独
2010年 04月 19日
ちょっと、ショック過ぎてすぐには言葉が見つからない。ボクシングについては熱心なファンとまではいかないものの、バレロはリアルタイムでいくつかの試合を見てきた選手だし。
そう言われてみれば最近はバレロの試合をテレビで見ることがなくなってたな、と思って確認したら、帝拳との契約は既に解消していたのね。
ここから先は完全に想像の世界ですが、アメリカで試合を行うためのビザが発給されず、ビッグマッチが実現しないことへのフラストレーションが溜まり続けた結果このような事態に・・・ということなのでは。
パッキャオの例を持ち出すまでもなく、ボクシングの世界ではアメリカでの試合が成功への足がかりなことは間違いないわけで、2004年にメディカルチェックでひっかかって以降、幾度もその機会を逃し続けたバレロがその重圧を抱え続けていたことは容易に想像がつく。それが最悪の形で表に噴きだしてしまった、というのが一番もっともらしい理屈付けのように思える。本人に確認のしようがない今となっては、真相は永久に闇の中だけど。
27戦27勝27KO。見事なまでのパーフェクトレコードを誇る名王者は、対戦相手に敗れるよりも先に、自ら人生のリングを下りることを選んだ。リング上では対戦相手をことごとくKOしてきたハードパンチャーも、自らの心の闇に殴り勝つことはできなかった、ということなのだろうか。